その2 新人をお誘い
「何でしょうか」
「実は今年の一年で何人か友達になった子がいるんだけれどね。その子達をここに連れてきてもいいかなって」
なるほど。
「やっぱり魔女とか獣人ですか?」
「吸血鬼と狐とエルフだよ。うち吸血鬼の
「美璃香さん、ですか……」
亜理寿さんは考えている模様。
「
「あの小柄な方ですね。確かに同じクラスです」
あまり付き合いはない模様だ。
「あとは狐の
「私はかまいませんが、文明さんはどうですか」
「亜理寿さんと美鈴さんがいいなら僕はOKだな」
「わかった、ありがとう。じゃあ美鈴さんに聞いてみるね」
真理枝さんは家の方へ去って行く。
そう言えば同学年の亜人さんって此処にはいなかったよな。
まあ主に真理枝さんの友人繋がりで呼んでいるからなのだろうけれど。
「さて、もう一度山へ芝刈りに行ってこよう。これじゃ一週間分にも足りないしさ」
「そうですね」
焚き付けに使う細いものを除くと、この籠一つの薪で二日分持つかどうか。
だから今週のノルマとしてはもう一回以上薪を集めておきたい。
雨で薪集めが出来ない日もあるだろうし。
その辺は亜理寿さんもわかっている。
まあ倒木とか細めの灌木とかをイライザ先輩達が集めた物もあるのだけれど。
そんな訳で僕達はカブを走らせて再び山道へ。
◇◇◇
薪集めを二回するとお昼になった。
金子先輩が来ているので麺類、今日はうどんだ。
やはり金子先輩のおかげで山菜とキノコの天ぷらがついている。
「やっぱり
真理枝さんがそういう横でアンドレア先輩がものすごい勢いで食べている。
「そう言えば今朝話した一年生三人、午後にここに来てみるって。だから摩耶さん、迎えの車お願い。あの車が一番大きくて人を運ぶのに便利だし」
「いいけれど私は顔を知らないぞ」
「私も知らないから問題無いよ。摩耶さんの車のナンバー教えてあるから向こうで見つけてくれると思うよ」
「最初からそのつもりかい。まあいいけれどさ、待ち合わせは何処で何時だ?」
「一時ちょうどに女子寮B棟前だよ」
「ならもう十分しないうちに出なきゃな」
摩耶先輩が食べるペースを上げる。
「それでどんな子なんだ?」
「いい子達だよ。まだ掲示板とSNSで話した事しか無いけれど」
つまり良くは知らないという事らしい。
「
「まあいつもの事だ」
アンドレア先輩の台詞に頷くと摩耶先輩は立ち上がる。
「じゃあ行ってくる。私の分の片付けは
「まあしょうがないか」
「誰に頼まれたせいだと思っている」
口調はそんな感じだが摩耶先輩は基本的にお人好しだ。
何か頼まれると基本的に断らない。
しかも魔法持ちで車と中型バイクの免許持ちで車持ちと便利な人だったりする。
昨日も畑仕事の後にバイクのコース作りで元田んぼの一部を焼き払っていたし。
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