その2 ウッドチップも作ります
女性陣を風呂に追いやって、僕は上下着替えた後。
建築クラブのトラックが戻って来た。
何やら大型のドラム缶風のものともう一つ何かの機械を積んでいる。
手伝って下ろしながら尋ねる。
「こっちは燻製機でしょうけれどそっちは何ですか」
「ガーデンシュレッダー改造のウッドチップ作成機、教授の私物」
なるほど、これでウッドチップを作る訳か。
「それで
「買い物中。折角だから燻製の醍醐味を見せてやるって言って」
なるほど。
「なら燻製を作るのは教授が帰ってくるのを待った方がいいか」
「そうすね。ところで女性陣は?」
「川で冷えたから露天風呂」
「なるほど」
覗こうとかそういう奴がいなくて一安心。
何せここから露天風呂へは丸聞こえだから。
「なら先生が帰る前にウッドチップを作っておこうか」
「そうだな」
そんな訳でウッドチップの作成に移る。
「学校の桜なんかでウッドチップを作る時は枝をそのまま入れている感じかな。ここのはちょっと太いから適当に斧で割って」
普通に薪として使うよりかなり細い状態まで斧で割る。
「あとはこのガーデンシュレッダーを起動してチップにするだけ」
ガーデンシュレッダーと呼んだ機械は電動式。
上から細くした木を入れるとバリバリバリバリウンウンウンウンとうなって木を吸い込んでいく。
「今回用だけでなくて、此処で何回か使えるように多めに作っておこうか」
「お願いします」
という事で割って割って入れてを繰り返す。
そのうちシュレッダーが目一杯になったらしくランプがついて止まった。
「これで充分だろ。だいたい十分でひとつかみ程度しか使わないしさ」
「そんなに少なくて大丈夫なんですか」
「実際こんなチップでも燻製用で買うとえらく高いんだ」
ウッドチップを外に出して新聞紙の上に置いて乾かす。
乾かしている最中に先生の車が戻って来た。
「取り敢えず定番のチーズとかもう浸かっている煮卵とか買ってきたぞ」
「魚は内臓を取って塩して冷蔵庫に入っているそうです。チップは後々此処で使う分を含めて大量生産しました」
「よし、じゃあ始めるとするか」
そんな訳で僕は玄関から魚を取りにキッチンへ。
キッチンは風呂の真横だから一応念の為ノックする。
「冷蔵庫の魚を捕りたいけれど入っていいですか」
返答はノック三回。
これは美鈴さんとの取り決めで入ってまずいときの合図だ。
そんな訳でしばし玄関で待つ。
少し待つと美鈴さんが内臓を取った魚色々をお盆の上に載せて出てきた。
「ありがとう」
「おっ、そろそろ始まるか」
アンドレアさんの声がする。
風呂から上がってきているようだ。
「着替えたらすぐ行くよ」
「よろしく」
そういう事は今は着替えていないという事だな。
余計な想像を取り敢えず無視して庭の燻製機の方へ。
「おっと、思った以上に大漁だな」
「大丈夫ですか」
「問題無い。その為の大型燻製機だからな」
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