その2 GW間の平日一日目の夜に
何とか三コマ無事に入れて、ついでに学科も一つ進めた。
もう仮免後だから実技は教習所の外での教習。
でもこの辺の道路は人も車もそれほどいないので案外楽だ。
むしろ狭い教習所よりも慣れてくると楽な気がする。
都会だともっと違うんだろうけれど。
そんな感じで午後七時過ぎに帰宅。
「ただいま」
カバンを二階の自室に置いてリビング続きの方の八畳へ。
入ってみると朝の面子に
「あれ、学校は」
「畑が気になるしね。GW終わるまではここから通おうと思って」
大丈夫かな。
「明日明後日は天気が悪いけれど大丈夫かな」
「私が車を出しますし大丈夫です」
そう言えば金子先輩は車で通学していた。
「みんな
確かに真理枝さんが言うとおりだな。
金子先輩の車は五ナンバーのワゴン。
女子だったら充分五人乗り出来る。
「金子さん明日は何限から何限まで?」
「一限から四限です。良かったらどうぞ」
「なら乗せて貰おうかな私も。天気が悪いみたいだし」
「私も乗せて貰うつもりだし、亜理寿ちゃんはどう? 薬の一年は授業フルだよね」
亜理寿さんは箒二号さんと自称している自転車で通学している。
距離は途中区間を飛行しているので問題無いけれど雨は苦手そうだ。
「私は別用があるから大丈夫です。すみません」
「あ、残念」
何かあるのかな。
この時は僕もそれ以上気にしなかった。
それより考えていたのは自分の明日のことだ。
教習所の予約を入れたけれど、雨だとスクーターで行くのが大変だなと。
「さて、文明さんが帰ってきましたし御飯にしましょうか」
亜理寿さんと金子先輩を始め皆立ち上がって夕食の準備が始まる。
◇◇◇
夕食を片付けた後はそれぞれ自由。
亜理寿さんは授業の復習ということで二階へ。
他の皆さんはそのまま八畳間でぐだぐだしている。
風呂も入ったし、僕もそろそろ二階に行こうかな。
学校でやったプログラム言語にある程度慣れておいた方がいいだろうし。
「それじゃ、また明日。おやすみなさい」
「おやすみー」
二階の自分の部屋へ。
そういえばもうすぐプログラムの演習問題が出るな。
ちょっと予習して軽く作っておこう。
パソコンを起動して学校で教わった通りヴァーチャルマシンを起動。
授業の課題はWindows環境ではなくLinux環境だから。
ワープロと微妙に違って使いにくいエディタに苦労しつつプログラムを作成。
統合環境で無いのでいちいちコマンドラインを使うのが面倒くさい。
何度もエラーを訂正して何とか動くようになったのは深夜零時を過ぎていた。
ちょっとトイレと水飲みにでも行こうかな。
そう思って部屋の外へ。
暗い踊り場の反対側、扉の隙間から光が漏れていた。
亜理寿さんも勉強中なのかな。
そんな事を思いながら照明のスイッチを捻り、階段を降りて下へ。
キッチンも照明がついている様子。
誰かまだ起きているのかな。
人形の皆さんじゃないよな。
扉を開ける。
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