その5 GWこそは
無事修了検定を終え、ついでに第二段階の授業もちょい受けて夕方に帰宅。
家はいかにも色々やりましたよという感じだ。
例えば家の向かいの畑に色々植えてあるとか。
畑の上に鳥対策の網が張ってあるとか。
更に庭に竹製のベンチが数個置いてあったりもする。
なかなかいい出来だ。
「ただいま」
「おかえりなさい」
声からすると
自分の部屋にヘルメットと教習所の教本が入ったバッグを置いてリビングへ。
「どうだった、今日は」
「色々やって疲れた」
真理枝さんが横になって何かモデルガンみたいなものをいじっている。
「それはエアガン?」
「そう。GWは山でサバイバルゲームをしようって話になって。取り敢えず一番標準のタイプだってアンドレアに借りたんだ。攻めても良し、守りも良し、ハイサイクルだから弾幕を作るのも良しだって」
「結構大きいというか長いな」
「これくら長くないと狙いにくいって言っていたよ」
そうなのか。
「やってみると案外楽しいらしいよ。銃とフルフェイスのゴーグルさえあればあとは厚めの長袖上下と帽子、手袋で何とかなるそうだし」
「なるほどな」
確かに楽しいかもしれないな。
山でやるなら実戦的な感じになるだろうし。
「あとは畑も道つくりも相当進んだかな。ユンボと亜理寿ちゃんの魔法の組み合わせが反則的に便利でね。道の上に生えている竹を氷の魔法で土の下から根こそぎ切ってもらうの。それであとは根っこを切った竹を縛ってユンボで引っ張ればそのまま道の法面になる感じで」
「久しぶりに魔法を思い切り使いました。結構楽しいですね、魔法の成果が形になるのって」
「竹林を越えたらあとは摩耶さんが燃やせる小灌木や雑草だしね。燃やせるだけ燃やしてユンボで走りながら整地して。山向こうの谷間の道路までユンボで走れる道が貫通したんだよ」
「畑も一通り用意した物を植え終わりましたしね」
相当に進んだようだ。
何か本当に楽しそうだな。
元々余り興味は無かったのだけれど、僕も参加してみたくなってきた。
「何か楽しそうだしGWは少し遊ばせてもらおうかな。七月までには余裕で免許取れそうだし」
「その方がいいと思うよ。自分の家なんだからもっと楽しまないと」
確かにそうだ。
でも不安が無い訳でも無い。
「僕に何が出来るかな。それにお邪魔じゃないかな」
「深く考えなくてもいいんだよ。やりたい事を思いついたらやればいいだけで」
そうか、その程度でいいんだな。
「そう言えば庭にあった竹製ベンチ、あれも良く出来ていたなあ」
「あれは稲森さんですね。休憩所を作る前の習作だそうです。GWまで放っておいて強度その他を確認した上で休憩所の小屋を作ると言っていました。竹と縄を使って小屋を組むそうです」
どういう感じに作るんだろう。
僕には今一つイメージが掴めない。
「やっているのを手伝えばどんな小屋になるかわかるかな」
「手伝って貰えるなら美久コンも喜ぶと思うよ」
それならまず、その辺から始めるか。
「道もメインはほぼこれで大丈夫だと思うしね。他にはアンドレアがGWにオフロードバイクも持ち込むって。あれも楽しいらしいよ」
何か俺まで楽しみになってきた。
GWは僕も色々参加させて貰おう。
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