御影瑛路の作品においては時折極限まで突き詰めたようなキャラクターが登場する。それは精神性であったり、能力であったり、現実においてそれらは存在するのか? と投げかけたとき、多くの人は「ないない」と笑ってしまうほど苛烈な存在。彼/彼女らはある一点において常人の並び立つことのできない高さに立っている。そんな人物たちを見て、私は「美しい」と呼称する。本作のヒロイン(と思われる)九曜マリーが、その利他性を以てどれほどの高みに上り詰めるのか、あるいは主人公であるユウスケなのか、正直、楽しみでしかない。