第32話
僕らは念入りに準備をし、ロロルーラで魔王城に侵入することに成功した、城はがらんとして誰もいない。そういえば鷹の爪の連中が序盤の敵は一掃してきたといっていた、これからなのだ。僕はあの日から寝ていない。ホットミルクも足湯もきかなかった。フラフラする僕を見て大丈夫?などとサーシャが声をかける。こんな茶番ももう終わるのだと思ったら余計眠れなくなったのだ。この冒険が終わった後のことを考えていたのかもしれない。2階にあがったときにワハハという高笑いが聞こえた。
「よくぞここまで来た!私は四天王が一人ゴルデウス!」
そこに骸骨剣士が立っていた。無視して立ち去ろうとすると待たんかいと慌てて追ってきた。骸骨剣士は手を何本も持っていてその手の一つ一つに剣が握られている。
「アレス!いこう!」
イリアが戦いの合図を送る、サーシャがすかさずデオナズンを唱える、そうすると鼻毛が伸びて床にまで到着した。溶けるチーズみたいだと思った。
「あははは!私には魔法は効かないのだ!」
「うそでしょ…」
鼻毛が凄いことになっていて僕は笑っていた。
「そこのお前!何を笑っているのだ!」
さっきの奴名前をなんていったのか覚えていなかった。ゴルデウスとかいったっけか。などと眠れない頭で考えていた。
「笑止」
僕は剣を構えた。このオリハルコンの剣は、僕が勇者であるあることの証。だっとダッシュしてその俊足で骸骨剣士の後ろをとる。持っていた剣が僕のオリハルコンの剣を弾き飛ばした。強い……僕は剣を拾いに行き、再び構える。イリアがヴィーナスの弓を構え銀の矢で攻撃を加えている、メリッサが大鎌で相手をする。しかし骸骨剣士はびくともしない。平気な顔で戦いを続けている、サーシャは相手にはならず、後ろで涼んでいた。鼻毛は少し引っ込んで腹のあたりまでになっていた。
「すごい体力だ」
「アンデッドだからだ、生きてないからだ」
イリアが弓を引き搾り、銀の矢をさっきから打ち込んでいる。弓矢は当たってるかのように見える。でも当たってないのだ多分、骸骨剣士は高笑いをするだけで、メリッサの鎌も、イリアの弓もまるで効いていなかった。こちらは疲弊するだけだ。それでもフラフラする頭で骸骨剣士と向かい合った。モンスターにはコアがあるはずなのだ、そこを狙えば…等と考えていると、私のコアを探しているのだろうとゴルデウスは言った。
「残念だったな私のコアは複数ある、一つ壊しただけでは倒れないのだ」
そういって高笑いした。コアが複数あるということはそれだけ弱点も多いということなのでは。僕はそう思いオリハルコンの剣を構えた。
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