第23話
すっかり日に焼けた素肌は皮がむけて痛みが走っている様子だった。僕は木陰にいてスイカばかり食べていたので腹を壊していた。サーシャたちが冷やした氷などを当てている中で僕はトイレとお友達だった。
「スイカをまるごと食べたのだのもの仕方ないわね」
サーシャが氷などを当てながら笑っている、鼻毛のくせに。
「エルフも日に焼けるのね」
興味深くイリアの赤くなった肌を見ているサーシャである、でもすぐに元に戻るのですよといって笑っているイリアである。
「そうなの羨ましい……」
ぬかで出来た袋を当てながらメリッサがいうとそれほどでも……といって照れた。別に褒められているわけではないのに。
「おにいちゃんお水ー」
メリッサが汲んできてくれた水を飲み、トイレに駆け込みながら水分補給をする、ずっと腹が悪い、これも何もかもが魔王が悪い。どうにか腹の調子がもどりみんなの集まるところへと戻ってくると、次はさてどうするかという話になっていた。
そろそろ僕らの敵は中堅である、ボスは三体目でレベルは20になろうとしてた、レベルが20にもなろうという頃にはその辺の雑魚もなかなか手ごわくなってきている、慎重に物事を進めなければならないのである。
「酒場のおじさんから聞いたんですが、この辺を取り締まっている騎士が何やらよからぬ噂を話していたそうです」
「へえどんな?」
イリアが話始めるとうつらうつらとメリッサがし始める。
「何やら魔人的なものがここから東北にある沼地に居座っているとか、きっと魔王軍の幹部に違いありませんよ」
「魔人……今度は魔人か……」
倒れてきたメリッサをはねのけ、次の目的はやっと定まった。今日はサーシャの
鼻毛は出ていなかった、ご神体の予言を聞いたあの日から、もう半年は経とうとしているこの旅もそろそろ中盤にさしかかろうとしている、いつの日かサーシャの鼻毛は見えなくなるだろう、そう思うとこの気がかりが消えると同時に目的が消えたような気がして、若干寂しいような気もしてしまうのだった。
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