ゲームスタート

(ここはどこだ…俺はどうなったんだ……)

気がつくと、そこは真っ白な空間だった

そこで、俺は、たった一人で立っていた

(そうだ…確かあの時、電車が事故って……

それで…死んだのか?俺……)

色んな記憶が脳裏を過ぎる。これが走馬灯というものか。

(あぁ…呆気なかったな……畜生…

あいつの事は、俺が守るって誓ったのに……

やり直しとかきかねえのかよ…畜生……)

……「君は、やり直したいのかい?」……

どこからか、男の声が聞こえた。「誰だ?どこから話してんだ?」

そんな俺の問いへの答えは、嘲笑うかのような声の主の言葉と共に返ってきた……

「そうだね…君には、僕の姿は見えていなかったんだね…それじゃあ顔を合わせながらの話でもしようか…」

と次の瞬間、黒いローブの人物が、俺の目の前に現れた。だが、以外と俺のには、驚きの感情はあまりなかった。「……」

「おや、あまり驚かないんだね…さすがは、天才ゲーマー02と言った所かな……」

何故、この男が自分の事を知っているのか。

それよりも俺が言いたっかのは、

「その呼び名はやめろ!何で知ってんだ…俺の黒歴史…後、お前の姿に驚かなかったのは、最近やってたゲームにそんな感じの服装したキャラがいて…それと、お前は、何で俺を知ってる!?てか、ここはどこだ…俺はどうなった!それで…てあれ…」

俺は、自分でも気付かない内に、混乱していた。

「とにかく、俺の名前は、風達飛鳥だ!その02の呼び名は、やめろ!」

全然まとまってないが、それでも俺は、02というその名で呼ばれるのだけは、嫌だった。

俺が言いたい事を全部言った所で、男が話を再開した。

「そうか、それは配慮が足りなかったね…すまなかった…では、飛鳥君…」

(いきなり下の名前かよ……)

さっきのやり取りで気が立ってたせいか、俺は、ついそんな事を思った。

「僕が君を知っているのはさておき、まずは、ここについて話そうか。」

「どうせ、死後の世界とか…俺の夢の中とか言うんだろ!?」

俺の言葉に男は、クスっと笑い。

「流石、察しがいい。その発想力はゲームで培ったのかそれとも…」

「あんまり、焦らすな!さっさと説明しろ!」俺は、自分が大分イライラしていたのに気づいた。しかし、どうする事もできない

男は、話を再開した。

「まったくせっかちだな、君は…ナントカはせっかちという言葉が昔あったかな……」

「君の予想通り、ここは君がいた現実の世界では、無い……」

その言葉に、俺は唾を飲んだ。予想はしていたが、それが現実になるとは……

「その顔は、察しがついてるみたいだね…

そう、ここは君たちが言う異世界という場所さ…」

「…いや、正しくは…現実から、異世界へ行くための中継点のような所かな」

そう、男は語った。

俺はただ、だまって聞くしかなかった。しかし、話の中に僅かな希望も見出してもいた。

「中継点…て事は、ここから現実世界にもどる事も可能って事か?」

そんな俺の問いに対する男の問いは、絶望的な物だった。

「流石だね!その考えにいたるとは……しかし、それは無理なんだ…何故なら君は、現実世界に行くための資格を持ってないんだ」

現実世界に行くための資格…その言葉の意味がもし、予想通りなら…俺はある程度感ずいてはいたが、認めたくなかった。だが、やはり現実というのは、容赦なく突きつけられる物である。「それってまさか……」

「そう…君は、死んだんだんだ。死人は現実世界で、マトモに存在できない…そんな事くらい誰だって分かるだろ?」

「……そうか…俺は、死んだのか…」

俺は、しばらく何も考えられなかった……

もう終わったんだ。何もかも…こんな訳の分かんない所で俺は終わるんだと……

だが、黒ローブの男の話は、終わってなかった。

「さて、僕が何者か?だったね…僕は…簡単に言えば、これから、君が行く世界の創造主かな…」

「……はっ?これから俺が行く世界?」

俺は、話についていけなかった。

「君は、願っただろう、やり直したいと…

だから、君はやり直すんだ…異世界で」

男はそう言った。俺は、ようやく話が理解できた。つまり俺は、これから異世界転生をするらしい。そして、そこで第2の人生をスタートする…そんな最近のラノベや漫画みたいな話信じられない…とは言えなかった……

「それで、俺は異世界で何をすればいいんだ?」

俺は、答えを急いで求めた。少しでも希望を持ちたかったのだ。そんな俺に対し男は、仮面の下で笑っているであろう、そんな声で

「君は、これから行く世界で、何人かの少女達に出会うだろう。彼女達と結ばれるなりなんなりして…まぁ、簡単に言えば攻略すれば

いいってことかな」

男の言葉に、俺は、ある程度は、理解した。つまり、異世界行ってそこに何人かいる女の子を攻略する事が俺の役目だ。…!?攻略?

「ちょっと待て!!女の子を攻略って……それじゃあまるで…」

驚く俺に、さらに追い討ちをかけたのは、男の言葉だ。

「立風 飛鳥君!異世界エルヘヴンの扉は、開かれた!さぁ飛び立つんだ!新しい世界へと」

「……おい待てよ!エルヘヴンって、まさかそこ、俺が先週買ったばっかの、ゲ…」「!」

突然目の前が真っ白になった。この空間も何もない白い空間だったが……それでも真っ白と感じるというのは、俺の意識が消えかけている事を示していたのは、言うまでもない。

そんな中消えゆく意識の中で、男の最後の言葉は、ハッキリと残った。

「君がエンディングを迎えた時、それは、君の願いが、叶う瞬間であり、叶った瞬間だ!

では、検討を祈るよ!」

そう行って男の姿は、見えなくなってしまった……

「っ!……おい…待てよ!まだ聞きたいことが……」

俺の意識は、完全に無くなった……





……さぁゲームスタートだ……



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