1-7 冒険者ギルド
さて、冒険者ギルドだが、そこに所属する冒険者というのは頼まれればなんでもやる『なんでも屋』みたいなもの。
「冒険者にはG~
……認めたくはないが、ステータスの評価ランクもGが最低って可能性が高いな。
認めたくはないがっ……!
つかAの上のSはわかるけど、さらに上の
ま、まぁ気を取り直していこう。
「依頼にも同じようにランクが設定されていて、冒険者ランクのひとつ上のランクまでの依頼を受けられます」
例えば俺が正式登録した場合はGランクからだから、登録直後はGとFランクの依頼を受けられるってわけだ。
「冒険者は定期的に依頼を受ける義務があります。Gランクの場合ですと、最低でも週1回は依頼を受けなければ、基本的には退会となりますので、ご注意ください」
ただ、依頼の受注をサボったって程度じゃ、不名誉退会にはならないらしいから、しばらく猶予期間をあければ再登録は出来るんだと。
ただし、退会の履歴もしっかり残るんだけどね。
「Gランクのお仕事は、庭の草むしりや街道のゴミ拾い、引越の手伝いなど、基本的には街中で出来るものがほとんどですね」
「薬草の採取とか、弱い魔物の討伐、なんて依頼はないんですか?」
「Fランクの依頼ですと、そう言ったものが増えてきますね」
とくに依頼が出てなくても、特定の魔物の素材を持ち込むことで、依頼達成とみなされることもあるんだとか。
俺でもやれるかなあ、魔物討伐。
「あのー、例えばFランクの魔物討伐って、どれくらいのレベルならいけますかね?」
「レベル……ですか?」
「はい、レベルです」
「……それは冒険者ランクを参考にしていただければよろしいかと。例えばFランクの魔物討伐ならFランク冒険者であれば特に危険はないという具合に」
「ああ、いや、冒険者ランクじゃなくて、レベルのほうを参考にしたいんですよ。俺いまレベル4で、たぶんもうすぐ5になると思うんですけど、Fランク依頼の魔物ってそれくらいのレベルでも狩れますかね?」
あれ……? なんかエレナさんがすっげー不思議そうな顔で、こっち見てる。
俺、なんか変なこと言ったか?
「えっと、そのレベル4や5というのは、どういった機関が制定しているものですか?」
「いやいや、レベルですよレベル! ステータスの!!」
「ステータス?」
あれ? なんかおかしいぞ?
「あの、『ステータス!』って念じると、どうなります?」
「……申し訳ありません。そういった魔術があるのかもしれませんが、無学でして……」
言葉とは裏腹に、なんか可哀想な人を見る目でこっち見てるー!
「ああ、いえ! あれかなー、記憶が混乱してるから、変なこと言っちゃったかなあ……」
「はぁ、そうですか……」
おいおいおいおい!
もしかしてキタんじゃねーの?
ステータス機能がチートなんじゃねーの!?
「すいません、変なこといくつか訊いてもいいですか? なんか夢と現実がごっちゃになってるみたいで……」
「ええ、まあ……私でお答えできることなら」
エレナさん、困ってるみたいだけど、ここは重要なところだからな!
聞くは一時の恥っていうしさ!
「えーっとですね、魔物をたくさん狩ると、突然強くなるということはありますか?」
「ございますね。原理は解明されていませんが……」
「へええ、その“突然強くなる”現象はなんと呼ばれているんですか?」
「単純に『強化』と呼ばれています」
「これまで何回『強化』されたかを確認する方法はありますか?」
「そうですね……。それができれば、いい強さの指標になるのは明らかですので、長年研究されているのですが、残念ながらいまのところ確認する方法はありません」
なるほど、レベルアップの概念はあるけど、それを数値化することはできないってことね。
まあ一気に数レベルアップすることはありそうだし、単純に『強化』を認識した回数だけ記録しても、意味はないか……。
とにかく、レベルアップについては、とくにチートじゃない、と。
「では、スキルというのはありますか?」
「スキル……つまり技術ということですか?」
「えーと、例えば〈剣術〉とか〈毒耐性〉とか……」
「剣術はもちろん訓練場に通ったり、修行したりすれば習得できると思いますけど……。毒に関しては、例えば少量の毒を少しずつ体内に取り入れていくことで耐性をつける、という方法があると聞いたことはあります」
「えーっと、SPを使ってスキルを覚えたりレベルアップしたりって……わかります?」
「エスピー? 申し訳ありません、存じあげません」
そのフレーメン反応みたいな表情やめて! クセになりそうだから!!
この人言葉遣いはすっげー丁寧なのに、表情で内心バレバレなんだよなぁ。
営業スマイルも最初だけだったし……。
「例えば魔物を倒していると、突然新しい技術や知識を覚えたりする、ということはありますか?」
「そうですね……、そういった話は聞いたことがあります。あるとき突然知らないはずの技術や知識に目覚めることがある、と。それは『天啓』と呼ばれています。魔物を倒すことに限らずですが」
なるほど、SPやスキルは認識できないけど存在はする、って感じかな。
あと、エレナさんの言い方からして、魔物を倒す以外にも、経験値やSPを稼ぐ方法はあるのかもしれん。
で、たぶんだけど、ある程度SPがたまったら、才能や努力に応じて、自動振り分けでスキルレベルが上がるって感じかな。
ってことは、これを任意で振り分けできるのは、かなり便利かもしれない!
あれか! 〈稲荷の加護〉の能力把握と成長補正ってのはこのことか!!
これはチートっぽいな、よしよし。
ありがとう! お稲荷さん!! 生き返ったら俺も揚げさん、お
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