第九話 決着
空の一点が輝いた。そこを中心に大きな輪が描かれ、収束していった。
「うぐっ」
「はぁはぁ」
全力でぶつかり合って、あちこちに傷を作って倒れそうになりながらも二人は立っていた。その実力は拮抗しておりその全力の激突をしても決着はお互いを同じくらいに傷つけるに留まった。
「こんなの認められない!私の全身全霊を賭した一撃がこんな結果で終わるなんて認められない!」
「残念ながら事実だ。僕も認めたくはないがここまでとはね。さて僕はお暇させてもらうよ、君の死が僕との戦いの結果なら君を殺す理由は僕にはないからね」
空の空間を切り開き異空間への扉を開く。撤退し一度体制を立て直そう。
「待って!」
「なに?もう君に用はないんだけど」
「あなたの事が好きなの!」
衝撃が走った。二人の間に雷が走ったかのようにすら見えた。顔を赤らめて告白する彼女と突然の出来事に動揺を隠せない彼。
「分からない」
「えっ」
「どうして断っておきながら今更告白をするのかわからない!」
…あなたを倒すか。倒されるつもりだったのよ、あなたに殺されるならそれもいいなって思ったのよ。だけどそうはならなかった、この気持ちを抑える理由がなくなった。
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