第八話 戦い
杖の先端に刃を形成し突撃してきた。右下へ受け流しながら次の動作へ。
「強いわね」
「そっちこそ、やるじゃないか」
受け流された杖をそのままに左手に盾を召喚、彼の剣を受ける。盾を押し込みつつ杖で切り上げ。
「おっと、危ない。どうしてそんな盾を持ってるんだ!」
「関係ないでしょ!盾がどんなのだって!」
自らに向かってくる攻撃をはじき返す絶対の盾。そんなもの想定できるわけがない!だが、こちらにも手はある。もう一本の剣を召喚。後退しつつ切りつける。
「あなたのそれもおかしくない!?」
「はっはっインチキはお互い様さ!」
岩も砕く、豪力の剣。インチキにもほどがあるじゃない。だけれど面白いわ!それこそ私の敵対者に相応しい!
「てりゃ!」
「やあーっ!」
剣戟が響く。刃と刃がぶつかる。幾度となく剣を重ねあう。今までの全てをぶつけ合わせるように。
月が浮かぶ夜。キスをするように何度も何度もぶつかり合い。惹かれあい。その生を全て捧げる行為。それはまるで愛であった。
「これで終わりだ!」
「来い!」
渾身の一撃によって決着を着けようと武器を構え直す。今度こそは相手を逃がすまいと力を籠める。
「夜よ!僕の元に夢を!人の願望と欲望!認識の錯誤を混濁とした力を!ドりームイーター!」
「人の眠りの守護者よ!私の元に希望を!安らかな眠りに身を任せうる平和を顕現せよ!シープスリーピング!」
数舜の後強大な力がぶつかり合った。
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