夜中の邂逅

第一話 真夜中の邂逅

 月の美しく輝く夜、家出をした少女は少年と出会う。


 両親と喧嘩して家出をしたなんて言うのは多分、年頃の少女にはありふれた話だ。あふれた感情の行き場に困り、感情的な行動に出てしまった。気づいた頃には取り返しがつかなくなっていて、どうにもならなくなった。


「こんなところでどうしたんだい?」

 行き場もなく歩き疲れた彼女は公園のベンチで休んでいた。彼はいつの間にか隣に座っていた。

「え?」

「すまない、驚かせてしまった」


 短く切り揃えられた黒髪、中性的な顔。少し筋肉のついた体。美少年がそこに座っていた。

「誰?」

「ただの通りすがりみたいな者さ。悩んでいる女の子を放っておけないだけの」

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