第二話 小学生

 小学校に上がっても二人の関係性は変わらなかった、守るものと守られるもの。

「やーい女男と男女ー」

「誰がだー!ほらあんたも泣いてないで追いかけるよ」

「うん!」

  いじめられても、辱められても彼女が隣にいた。二人でいれば平気だった。


「ねぇ」

「うん」

「私たちいつまでも一緒にいようね?」

 幼い頃には約束というものの重みは重く、時には関係の依存や呪縛を招く。


「二人とも仲好しねぇ」

「本当に、ちょっと心配なくらい」

「大丈夫だとは思うんだけど」


学年が上がるごとに二人はそれぞれ別の輪に入るようになり疎遠になっていく。

「ねぇねぇ、梅ちゃん遊ぼうよ」

「いいよ、なにする?」


「なぁ、サッカーしようぜ!」

「おう、やろうぜ!」


時間は新しい局面を描き出し、変化をもたらす。



 

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