真昼のベンチ

第一話 昼の公園

 子供たちが遊ぶ昼間の公園のベンチ、そこに座る老夫婦。

「おじいさん、疲れました」

「私もだ、最近日課の散歩も厳しくなってきたな」

「そうですねぇ、だけれどあなたが定年になってからずっと続けていますから今更辞められるものでもないです」

 散歩の途中、たまたまあった公園で休む二人。これまでの人生を振り返る。


 生まれた頃、病院のベットが隣であったことから両家の縁が始まった。幼いころから気の強かったおばあさんと気が弱いが芯の強いおじいさん。

「えーん、えーん」

「なんで泣くの?」

「どうしたの?」

「ころんだ」

「分かった、ありがとう。ほら手当するから来て」

 おじさんのそばには常におばさんがいて守るように立っていた。





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