第5話 ユミ

 ユミは同じクラスだった。キャンプや登山も一緒の班で、いつもげらげら笑いながらお喋りする仲間。屈託なく、それでいて気遣いがあってスマートな女の子だった。

 

彼女が病気で入院していると聞いたのは大学に入ってすぐのことだった。ユミは脳腫瘍だった。それは手術の難しい部位にあり、日毎に彼女の自由を奪っていった。

 大学2年、ユミは死んでしまった。私は悲しくて、そして怖かった。


 ユミ、彼女の夢は幾度となく見た。夢の中の彼女はいつもと同じように笑っている。街で一緒に洋服を試着して、キャッキャ言いながら着替えたね、ウチら。

折々夢に登場し、私はそのたびに会いたさに胸がしめつけられるのだ。

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