第2話 うたをうたう
いまもときどき高校時代を思い出すのだ。
16歳。高校入学。入ってまもなく校内の合唱コンクールの課題曲が配られた。曲はシューベルトの「野ばら」。ドイツ語での歌唱だ。
クラスで自由曲の話し合いが始まる。ピアノが一番上手いらしい子が皆の前に出て自由曲の案を募り、自分のレパートリーから一曲を推薦するとそれに決まった。すぐに指揮者や各パートが決まった。揉めもせず女子達はグループを作った。指揮者はまんまるな体の心優しい子。私たちは朝夕に教室で練習を重ねることになった。
私はまだみんなの名前を覚えていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます