阿呆の万歩計

万歩計を買ったのに

百を越さない数字を見る

どこへも行こうとしない印のようで

見るのをやめてしまった

彼は鞄の脇ポケットを塒にし

ゆっくりカウントするのだろう

そしていつか

こんなものをいれていたのか、と

笑って出すか、目を細めて出すか、呆れて出すか

もう出すこともなく捨てられるのか

未来を語ってみせるけど

きっと電池の方が持たずに消えるのだ

でないと生きている自分が阿呆にみえてしまう

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