第9話

**

2018年3月10日昼過ぎ


私は、一本の電話を受けた。春太郎が病院に運ばれた。意識がないらしい。

責任を感じた。私のせいかもしれない。


春太郎と最悪な状態で別れてしまった。あれが原因かもしれない。


自責の念に繰り返し襲われた。

「少しでも前でもいいからやり直せたら。」

つぶやくように声が漏れた。


バスに乗って市内の大きな病院に向かう。私の意識は少しずつ遠のいていく。こんなときでも人は眠くなるんだな。



気づいたときには病院のバス停のすぐ直前だった。慌ててバスを降りると、一目散に病院の受付へ向かった。

「春太郎、、、法川春太郎さんの病室はどこですか?」

私が看護師さんに尋ねると、落ち着けよという表情で「305号室ですよ」と教えてくれた。

察するに、生死にかかわることではないようだ。

少し安心して、病室に行こうとすると、なんだか私の恰好は少し厚着に思えた。それに、なんというか冬という気がしなかった。


慌ててスマホで時間を確認すると、ディスプレイには、

2017.10.4.TUE 14:08

と表示されていた。

一旦、落ち着こうと待合スペースに座って、メッセージアプリを開くと、前にそうな会話したかもなという春太郎との他愛もない会話が残っていた。ただ、10月5日以降の会話はなく、まさに今日が10月4日だと訴えかけているようだった。私のもとに、春太郎の番号から

の着信履歴が残っていた。


これはきっと何かのチャンスだと思った。そして、決めた。


ーー今度こそ、うまくやって二人で幸せになろう。

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ハンデ付き再対局 @tsukishiro_sun

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