第8話
少女は、
「私は飛鳥川百合といいます。」
「あすかがわ、、、。」
そういうと、少女はポーチから薄く花柄の模様のついたメモ用紙を取り出して、「飛鳥川百合」と書いて、こう言った。
「これから百合と呼んでいただいて大丈夫です。飛鳥川は長いので。私はなんとお呼びしたらよいでしょうか、法川春太郎さん」
そして、すぐに気が変わったのか
「私は百合と呼んでいただくので、春太郎さんがフェアですかね。」
と言って笑顔を向けてきた。
僕は少し照れながら、
「それでいいよ、、、百合ちゃん。」
と答えた。
「はい、ありがとうございます。春太郎さん。」
「それで、僕にアドバイスをくれるのはなんでなんだい?僕は百合ちゃんに何かお返しをしなきゃいけないのかい?」
「春太郎さんにアドバイスをする理由は私が春太郎さんのお役に立ちたいからです。」
「僕の役に立つという理由の理由も教えてくれるといいんだけど、、、。」
「そんなことは春太郎さんにとって願いが可能なら、些細なことではないですか。だから、理由の理由は秘密です。」
僕は釈然としなかったが、百合が何かしらの対価を求めているような気がしたので、きいてみることにした。
「それで、僕の望みが叶ったら、僕は百合ちゃんに何か対価を支払う必要があるのかな?」
「ずばりそうです。」
うれしそうな声でそう言うと、続けてこう言った。
「私のお願いを一つ叶えてもらいたいのです。」
「百合ちゃんの願いを叶える?それはどんな内容なんだい?」
「春太郎さんが叶えられることです。それもきっと春太郎さんにとっては簡単なことです。」
何一つ具体的な話はなかったが、百合は畳みかけてくる。
「春太郎さんの願いは私に任せていただければ、きっと叶います。このお話乗ってくださいませんか?」
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