ノンビリ×キツめ
「何でホーンなんだよ」
「す、すみません……」
昨日、アカデミーから通達があり、別な先輩を付けられたのだけど、かなり怖そうな先輩に当たってしまった。
森で水牛を狩るみたいだけど、私の武器はホーン。
奇襲をかける場合、殆ど役に立たない。
「俺にばっか仕事させて、意味ねぇだろ」
「……」
じゃあ、どうすればいいのよ、と思った時、先輩の武器が目に付いた。
「あ、それ、斧ですか? 私、授業で斧のセンスあるって褒めれたことあるんです」
苦し紛れに話題を変えたつもりだったけど……
「あ? お前、斧使えんのかよ。 だったら、1本貸してやるよ」
2本あるの?
しくじった……
私は、渋々斧を受け取った。
「したら、相手が油断してるとこに攻撃してこい。 ヤバそうになったら助けてやる」
「はあ……」
やだなぁ……
何で、水飲んでるだけの動物を狩らないといけないのよ。
道徳に反してるわ。
でも、やらないとすごい怒りそうだし……
すると、ポケットのスマホが鳴った。
「……くそ、緊急クエストだ。 街に翼竜の亜種が現れたらしい。 行くぞ」
え、翼竜?
とりあえず、ラッキー?
ダイナドンに捕まり、街に戻ると、翼竜が街の上を円を描いて飛んでいる。
その真下には、ラザニ先輩がいて、スプーンを持ちながらアタフタしていた。
「高ぇな。 っし、お前のホーンが役に立つな。 それで、地上におびき寄せろ」
「了解です」
私は、ダイヤルを翼竜に合わせ、吹いた。
ギエエー、ギエエー、という鳴き声を出すと、翼竜がこちらに気づき、降りてきた。
「らあっ」
建物の屋根によじ登っていた先輩は、そこから飛び降りて、構えた手斧を翼竜の翼に振り下ろした。
ガアン、と火花が散る。
「なっ、かてえ!」
この翼竜、翼竜は翼竜でも、装甲が鋼鉄みたく、硬い。
翼竜は、翼を広げ、素早く旋回。
バスタ先輩を弾き飛ばした。
「先輩!」
建物の屋根に激突する。
そして、手斧が私の足元に転がり落ちた。
それを拾い、投げつける。
激しく回転した斧は、翼竜の頭部に命中した。
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