第34話 物理法則の記述のあるべき可能性について

 人類は物理法則を探求している。自分たちが生きる世界がどのような仕組みによって存在しているのか知ろうとしている。

 それならば、物理法則の究極的記述はどのようになるのか。

 現在の人類は、おそらく、そして、もちろん、物理法則の正解にたどりついてはいない。

 しかし、物理法則を探求する研究者たちは、物理法則の解明にどのような推定を立てているのだろうか。

 ここにおいて、わたしが主張したのは、人類が知る物理法則がまったく矛盾のない数式や図式で説明できるのかどうかについてである。

 みなさんは、ひょっとしたら、物理法則が一個の単純な数式によって記述できると推測しているかもしれない。

 しかし、わたしは次のように考えている。

 それはこうである。

 物理法則は人類がそのすべてを解明することはできない。

 物理法則が人類には解明できないという前提にたち、究極の物理法則の記述をする時、どうなるか。

 それは、不完全な方程式や図式、数式によって記述されるだろうということである。

 ここにおいて、わたしは提案したい。

 物理法則の究極的な記述は、矛盾する複数の数式によって表わされるだろう。

 人類はやがて、物理法則を矛盾した数式で語り始めるだろう。

 あえていおう。

 物理法則の正解は矛盾していなければならないと。

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