第19話 三種類の知性についての試論
ぼくは、三種類の知性の種類を見出した。
「神経構造による知覚」
「数学による計量と調整」
「概念の言語化」
である。
「数学による計量」が、人類にとって重要な知識だったのは、神経による知覚という心理的知覚とは異なる外界の認知の仕方だったからである。
数学は、ヒトが神経構造による知覚とは異なる外界のとらえ方ができるため、ヒトが宇宙を調べてその形状を分析して、認識できる記号体系にすることができた。ヒトが外界を認知して操作するのに大きく役に立った。
「概念の言語化」は最も軽んじられている知性体系であって、人類の認識の外界にある存在に記号を付与して考えられるようにするために必要なものである。
「概念の記号化」は、数学で計量できないさまざまな存在を認識することのできる技術であり、「概念の言語化」は、物質に記号を付与するとは限らない、非物質的存在を認知することも可能になる。
おそらく、「数学による計量」より「概念の言語化」の方が難しいのだ。ヒトの神経構造は数を数えるのが苦手だった。それで、始めは数学の方が人類の文明に大きく貢献した。だが、数学で人類の文明を改良してから、次はもっと難しい「概念の言語化」を行うべきだ。コンピュータにやらせても、数を数える方が簡単で、言語理解は難しいのだから。
数学が人類にとって有用なのはなぜか。それは、ひょっとしたら、宇宙が数学でできているわけでもなくても、宇宙はヒトの心より、数学に似ている(あるいは近い)構造をしているのではないか。
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