アウフヘーベン

テニスボーイ

誰もが大人のフリをするもの…

師走が何かと忙しく動く時期が当たり前のように思うが、よくよく考えれば仕事に追われる立場であればなおのこと。この歳までの経験から「仕事を追う」職種であればこそ周りや時間に追われなくとも生徒(選手)のパフォーマンスやメンタル、試合結果を注視していると時間も忘れ、気が付けば街中には綺麗なイルミネーションとジングルベルの心地よいメロディーに癒されている。冷たい空気が気を引き締めてくれるが、やはり寒い冬は苦手である。


ジュニア諸君、今年最後のグレード大会も架橋に。調子が上がった選手もいれば力が入り過ぎて空回りに終わってしまった選手は、自身の不甲斐なさと親からの説教に意気消沈、今年の集大成がまとめられなかった悔しさを来年のエネルギーに変換できることを願う。。

本人の「力以上」を親が期待してしまうことはとても危険であり、成長に大きな抑止力となる場合を幾度と見てきた。親が奮起させようと叱ることにおける子供への影響は一長一短であり、至らぬ結果や出来ないことを繰り返し指摘しても打開策にはならない。選手はあるレベルに達すると年齢に関わらず「自覚」し現状の調子や試合結果について自身なりの考えや回答を出すように、これは「自信」を持てるようになった証拠であり成長の証でもある。もちろん経験者(有識者)からすればまだまだ未熟な回答や判断も多々見受けられるレベルであるが、これを完全否定してしまうことは賢明ではなく成長を止める影響力もある。


「認める」こと。そして「促す」こと。


自我を確立した子供は大人への道を歩み始める。いろいろな意味でこれまた年齢に関わらず選手として強く成長するためには「大人」になることが必要である。

「なぜ負けたのか?」「なぜ調子が悪かったのか?」。。結果がいつもいいとは限らない。勝てる(と思われる)相手に負けることも経験の一つであり、その経験があってこそ気付きもある。その気付きが大きな収穫となれるよう我ら指導者は彼らを促そう。自分達が成長出来た頃、良き先輩やコーチからいただいた言葉を思い出しながら。。


今年は昨年以上の活動が出来た年になったが、自己満足で終わる気はない。それは選手達が私の指導で「何か」を掴まなければ私の力不足に終わるだけだから。。来年は今年以上でありたい。選手も私も。過去(今年)の自分を変える年になれるよう。

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アウフヘーベン テニスボーイ @tennis_boy_0114

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