令和付帯話 平成の音楽をGarageBandで駆使して作る事

今回はカクヨム公式の自主企画参加も有り、近況がてらの追加エッセイになります。

平成の音楽の機材は何処まで最小化出来るかです。


このエッセイで、資料として小室サウンドを聞いた時に、膨大な機材と完璧なスタジオを踏まえてのレコーディングとは分かってはいるのですが、そう、今ならMacBook一台で出来るのかなです。


そんなのMacBook一台は無理だろうも、出来るのですよ、付属のGarageBandがあれば、必要経費0円です。いやボーカルレコーディングするのならば、Bluetoothでもジャックでもの、手持ちのヘッドフォン或いはイヤフォンが必要になります。


ここ、Desk Top Music或いはDigital Audio Workstation経験者ならば、オーディオインターフェイス/高級ヘッドフォン/卓上スピーカー/マイク/鍵盤のキーボードは必要になりましょうけど、音楽ジャンル…いや一切関係無く、MacBookとヘッドフォン或いはイヤフォンで完結出来ます。


試しに、GarageBand攻略本無しの直感だけで、平成のメインストリームであったガレージハウス何処まで出来るか作り込んだ所、メインフレームは90分で出来ました。

GarageBandのそれは2004年初登場からの歴史で、Apple直々の開発ともなれば、ユーザーインターフェースどころかハード本体のアップデートに見合った、ソフト開発にもなりましょう。



至るトラック構成は6つ。いや7つですか。


トラック0は、どんなドラムキットがあるかなとインサートしては、ハウス色が出やすいBPM125に決定。しかし思いの外エレクトロの4つ打ちが出ないので、ダミートラックとしてミュートへ。


トラック1は、4つ打ちのややエレクトハウス色強いドラムキットで構成。フレーズループなのにブレイク迄御丁寧に入っているお得感が即戦力です。


トラック2は、同じくドラムキットも、ハイハット・パーカッション系で密にしかったので、音源はバスドラム等の低音部のボリュームは全てカット。


トラック3は、アタックの強いシンセベース。入力は画面上のキーボードでリアルタイム入力後エディット。ただややエレクトハウス色強いドラムキットに音色を合わせてしまった為には後述。


トラック4は、生にニュアンスも残るシンセストリング。これも入力は画面上のキーボードでリアルタイムしてはアップサイドダウンさせ、ハウス色を際立たせる。ソング上はDメジャーと設定している為、外れた音程はエディットで修正。


トラック5は、MacBook本体のマイクを使って、自らのコーラスワークを4小節程。ここでイヤフォンでトラックを聴きながらにすべきですけど。手元にイヤフォン無かったので、部屋を無音にしての音程とBPMを感じながらの素っぴん録音。

MacBook本体のマイクで何が出来るのと思われるでしょうが抜群過ぎる性能です。印象としては上質なダイナミックマイクでやや丸い印象。しかもMacBook本体向かって真横でも、ど正面に補正してくれます。且つレベルは一度たりと割れる事なく過不足無く綺麗な波形に。最近のMacBook性能故の恐るべしさです。つまりです、毎回マイクセッティングを再現する事なく、クオリティはGarageBandが補正してしまう恐ろしさです。

いや、ボーカルがやや丸い印象はどうなのでしょうけど、トラック音をどんどん乗せるとボーカルの帯域を削らざる得ないので、トータルで考えたらこのワンテイクで良いと思います。


トラック6は、オフ気味も高揚するフレーズが差し込みたいので、手っ取り早くシンセフループを引用。ここも全体のトラックの印象考えたら、saw気味のアナログシンセを引用。ピッチは追従してくれるボックスあるのでここも忘れずに。


と、こんな感じで16小節作っては、ミニマムサウンドのメインフレームは完了。目標とする分数の小節をコピー&ペーストで一段落。後は模索しながらプラグインエフェクトを差し込み、全体像は見えたので90分の作業はここまで。

あとは雰囲気を見ながらトラックをカットして行くのですが…ガレージハウス作ったつもりですが、ナウなエレクトロハウスになってしまいました。

ここでどうかなですね。ミュートしたトラック0のドラムキットをブリッジに復活させ、ハウスピアノコードのトラックも入れ、追加コーラストラックも入れても、平成のガレージハウスになるのかなです。ただ目論見は、斜め向こうの令和的なサウンドになってます。それはそれです。


とは言え、ボーカルレコーディング苦手だな、ボーカロイドが無いとと言う方もいましょうけど、hide曰く自分の声100回聴いたら慣れたとの証言も有ります。

それでもレコーディングボタン押すの緊張するなという方は、元AKB48の島崎遥香の様に1小節ずつ録音して、後で繋ぎあわせると言う方法が有ります。これが結構おすすめで、積み重ねてはやれば出来る私の励みにもなります。

それでも、音程が気になるという方は、オートチューン設定有りますので、声が裏返らないように注意すれば問題は無いでしょう。

その先に関しては、耳が慣れてくると、この帯域がベストな声質かなと確信し、そこに音程を置きに行ければ、ボーカリスト開眼出来ると思います。


まあ結論を言うとGarageBand恐るべしです。音楽的知識が義務教育レベルでも、音楽が完成してしまいます。付け加えると、先ずはプレイヤーたれではなく、プロデューサーたれとの感性を求められます。使い込んだら抜けられないソフトがGarageBandとも言えましょうか。


いやいや音楽ってそうじゃないでしょうも有りましょう、ミキサーバランスで作ったソングは大化けもするし貧弱にもなるも、ごもっともです。

いや、ここもGarageBandのユーザーインターフェースは抜群で、音量バランス横並びでも、帯域の大渋滞が見られません。むしろ、今時のサウンドのトラックはどこもギリギリ迄上げてくるので、聴感上問題が無ければ、軒並みトラックボリュームは0.0dbで良いと思います。そう、MacBook本体のスピーカーの分離も良いので、これ以上げたら壊れますので絶対止めておきましょう。



そこまでGarageBand褒めても、実際はmacOSのおまけアプリでしょうも、プロミュージシャンではしっかり活用されています。


電気グルーヴの石野卓球は、アルバム「TROPICAL LOVE」製作時の合宿にいつものミュージックアプリCubaseないからGarageBandとMacBookの内蔵マイクのみでと有ります。ここは最近読んだムックでも、そんな訳有るかで、私も試してみたら、まあ驚愕でした。

その際の電気グルーヴの音質はこの様な感じです。

・電気グルーヴ 『トロピカル・ラヴ(Video Edit)』 https://youtu.be/Si3YUuo2PwA @YouTubeより


坂本真綾も、アルバム「シンガーソングライター」で初の作詞・作曲・プロデュースに至っては、GarageBandに鍵盤に多重コーラスを重ねに重ねてはデモを作ったそうです。DAW初心者の彼女曰く、ここまでコーラス作り込めて凄いの段違い評価です。ただあくまでもデモなので、アレンジャーに渡す際は、ピアノとコーラス以外はパージされてのリビルドみたいです。

その際の坂本真綾の表題曲はこの様な感じです。

・坂本真綾「ニコラ」PV https://youtu.be/WZ6PYUGG128 @YouTubeより


藤井麻輝の、minus(-)のやや最近のインタビューでは、iPadだけでも音楽制作出来るのではの教示。もっともしませんけどねのオチは有りますけど、MacBookどころかその目線はiPadに注がれています。iPad持っていたら、多分実験しているかと思います。


そういう私も辿れば、12年前位に一度どんなものかと触れては、アンビエントシンセの音色のピッチが広がりすぎたので曖昧ピッチ迄に補正した作業した記憶が有ります。その時は凄い便利だなも、いつものアプリに戻ってます。高機能の片鱗は既に有りました。



と。ここ迄書いて、GarageBand触ってみようかになったら、もう直ぐに触れて結構ですし、攻略本を読んでからでも結構かと思います。そう、今まで音楽の敷居の高さって何かなになりましょう。

GarageBandを発して、シンガソングライターも有りですし、DJ音源を作るのも有りですし、ダンサーであればこのテンポのこの雰囲気のジャストなトラックも作れます。令和に入り、もう新しい時代の扉を開くのはあなた自身になりました。



あとは、GarageBand使いこなしたし、アップデートしたい方はどうすればの、ミュージックアプリを書いておきます。



・Apple - Logic Pro

Appleに吸収される前のLogicを使っていたので、現在の価格24,000円前後は破格そのものです。当時のLogicは録音もmidiもプラグインも先を行っていたのですが、ただマシンが追いつかずもどかしいものでした。ただその心配も現在のMacでは問題無いでしょう。

同じAppleから、GarageBandとの親和性も高く学習そこそこにアップデートしたい方にはおすすめでしょうか。ミュージックアプリとしての立ち位置は、Pro ToolsかLogic Proのミュージシャンも多いため背中を押してくれるでしょう。


・propellerhead - Reason

とにかくシンセサイザーに興味がある方はおすすめです。プリセットも充実し、シンセサイザー本体のパラメーターをMac上で操作出来ます。昔は音質もの不安有りましたが、そこは好みの問題ですので、想像に限りに扱えるシンセ・リズムマシン・サンプラーの大量さを考えたら胡散霧消です。

何かしらのミュージックアプリを買うも、このプラグイン欲しいと購買欲湧くでしょうが、兎に角Reasonさえあれば軽く20年はアップデートこそすれど買い足す必要性は感じられません。

尚、コントローラー等を買うとintroとして初心者版が無料でバンドルされてくる時もあるので、ここで試してから、正規版にアップデートするのも有りです。


・Ableton - Live

登場時からのセッション画面が秀逸でDJしたい方にはおすすめでしょうか、昔はmp3を読み込んでくれませんでしたが、今では万全でDJの守備範囲も広いです。何より自動的にファイルのテンポを解析してくれて、この構成はどうかなも、チョップしては再構成が可能です。

DJであれば、SERATO DJ・rekordbox・TRAKTOR PRO等と合わせたターンテーブルコントローラーの見栄えが良いでしょうけど、いざ創作活動となるとAbleton Liveに一日の長が有ります。ここは今後どう進みたいかを良く検討された方が良いと思います。

こちらも、コントローラー等を買うとintroとして初心者版が無料でバンドルされてくる時もあるので、ここで試してから、正規版にアップデートするのも有りです。


尚、私のメインは15年越えてはAbleton Liveになります。その直感的なユーザーインターフェースで行き詰ることはほぼ有りません。そして都合30年近く集めたサンプル音源が無駄になることなくフレキシブルにセッション出来るのも大きいです。

ただ、音質面ではファイルにバウンスするとハイが若干失う傾向で、それもAbleton Liveも個性と受け止めてからは、生涯Ableton Liveで良いかなに至ります。





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平成の音楽遺産を書き連ねる 判家悠久 @hanke-yuukyu

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