番外編.7 令和と約束の地

平成31年4月1日、元号発表直前、宮内庁へ慌ただしく駆け着けようかの公用車が空撮されては、元号発表予定の午前11時半は結構押すかなと思いきや、やや遅れて菅義偉内閣官房長官が登壇し、新元号の額を厳かに上げます。新元号は令和。


テレビの同時中継先の見守る日本国民は、正直、令も和も一様に意外しかなく、興奮も落胆も無くただ受け入れる為に、ただ趨向している向きでした。



その令和、後追いの報道も然り、早くもWikipediaでの記述も有り、出典は『万葉集』巻五の「梅花謌卅二首并序(梅花の歌 三十二首、并せて序)」にある一文との事。以下です。


《原文》 

于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。


《現代日本語訳の一例》

時は初春しょしゅんの令月(※すなわち、何事をするにも良き月、めでたい月)、空気は美しく(※『初春』の『令月』を受けての解釈では、瑞祥ずいしょうの気配に満ち)、風は和やかで、梅は鏡の前の美人が白粉おしろいで装うように花咲き、蘭は身を飾る衣ころもに纏まとう香こうのように薫かおらせる。


との事で、これまでに無い春の表現がされ、万葉集とは実に奥深いものだなと感嘆です。


ただ、気になりませんでしたか、ここは何処の場所での宴であろうと。

またもWikipediaによると、大伴旅人の大宰府の邸宅で催された梅花の宴で有り、その邸宅も坂本八幡宮(現・福岡県太宰府市)付近ではないかの研究の様です。


そうかになりましょうが、明けてのミヤネ屋で早速、賑わう坂本八幡宮が中継を見たのですけど、そんな面影が微塵も感じられないのですよね。歌われるほどの桃源郷がここである片鱗を感じられないのですよ。

確かに飛鳥時代奈良時代からともなると、千年以上も越え植樹環境も変遷する事を踏まえても、何処かぴんと来ません。万葉集が巷で言われる奇書の側面もここに感じられます。

外交の地太宰府ともなると、幾多の渡来人から、何れたる約束の地たる令和の風景を漏れ聞き、この梅花の宴の光景はまさに約束の地では無いかの例えに聞こえてなりません。

まあここは個人的推考なので、タイムトリップでもしないと真意は如何にですね。



難しいお話はここまでに。令和、良いと思いますよ。母音の響きがe・i・aが何処かしらフォークソングぽくて。平成はe・i・e・iのかなりの韻を踏んでかヒップホップテイストでしたからね。こう令和の時代はフォークソング来るのではないでしょうか。

今、その響きに近いのがフジファブリックの「若者のすべて」なのですけど、これは夏っぽいし、春の歌ないかなと思ったら「桜の季節」はロック寄り過ぎるなと思いつつ。下記の動画へと。


■【公式】フジファブリック (Fujifabric) - 若者のすべて(Wakamono No Subete) https://youtu.be/IPBXepn5jTA @YouTubeさんから


■【公式】フジファブリック (Fujifabric) - 桜の季節(Sakura No Kisetsu) https://youtu.be/gBkPaCnQ8_g @YouTubeさんから



何で「若者のすべて」が春っぽいイメージなのかなと辿ってみると、柴咲コウのカバーの声の響きが春そのものだったのかと。成る程と、何時か別のエッセイにて考察します。


□柴咲コウ-「こううたう」

https://youtu.be/wqAA5Jv2gJU @YouTubeさんから



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