第16話 宇多田ヒカルと全面映像演出
まず「UTADA UNITED 2006」は宇多田ヒカルのライブ公演。とにも公演において演出が破格な訳です。
パッケージではさいたまスーパーアリーナでの演奏にあたり、演奏のバックとなる背景がごっそり全面映像な訳です。2006年の日本では誰一人到達出来ないであろうの舞台です。今でこそ漸く技術がフィードバックされ、各ライブは疎かMステと紅白で散見しますけど、舞台台座そのものを全面映像に差し替えるなんて、本当胸をすくいますね。
ライブにおけるビジュアルを重視したのはどの辺りの時代かと言うと、1992年のU2の「Zoo TVツアー」から始まるのかなとも。システムは今振り返るとごく普通なのでしょうけど、そこからの積み上げで、現状のU2のライブではとんでもない規模のスクリーンを使った表現を用いています。この先は一体どうなるのでしょうね。
まあ振り返って「UTADA UNITED 2006」なのですけど、バンドサウンドは今聞いても最高峰。しかしコーラスの多重録音のポン出しするしか術が無いのが難しいところですよね。
日本有数のコーラス隊編成しても良いとは思うのですが、それだと宇多田ヒカルらしさが、万民皆が受け入れられのか難しいですよね。凝り過ぎたDAWはライブの持つダイナミクスを越えられないのものかなと。
まあそれもあと10年後の事を思うと、宇多田ヒカルの声質プログラムをバックコーラスがトリガーにコーラス隊編成可能かも知れませんよねと。
そしてセットリストは13年経ても未だ聞けます。本公演ではUtada名義の3作品も「Devil Inside」「Kremlin Dusk」「You Make Me Want To Be A Man」が聞けますので貴重では有ります。これも一時休業する前にUtada名義のベストアルバムの発売どうのこうので、海外レーベルと一悶着あったので、もうお披露目はないだろうなとも。ブルーレイ再発出来ないのもこの辺の権利問題かなとも。
あとは全面映像演出ですか。当時に有りがちな、フラクタルなFlashアニメーションと一線を画したビジュアライズ。いやここなんですよね。ここにも予算を投じてMV相応の素材とCGを持って来ています。ここは元旦那さんの紀里谷和明演出の手腕も大きいかなと。
ただ、間にドキュメンタリーな映像が挟まるのですが、ここは商業映像で使って良い肖像権なのとも。多分この辺もかなりグレーでブルーレイでの再発が難しい原因かなとも。
兎に角、この規模の全面映像と演出は、今後日本では越える事が難しいでしょうね。
■【公式】宇多田ヒカル - This Is Love (Live Ver.) https://youtu.be/scaueZWW_vQ @YouTubeさんから
CDからの忠実性が兎に角高いですね。もっとバンド走っても良い気がしますけど。どこに正解があるのか分かりません。
□【公式】U2 - Invisible (iNNOCENCE + eXPERIENCE Live in Paris) https://youtu.be/ngXvnq3cX4I @YouTubeさんから
全面映像はどこまで辿り着いたかと言うと、U2の近年がこれです。垂れ下げたスクリーンと一体化しています。
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