第9話 AKBグループとコンセプトアルバム
平成の歴史的大所帯、AKB48グループですが、数々の発明が有ります。
握手会付きCDに、選抜総選挙に、ただのじゃんけん大会。もっとも、それも秋元康の幅広い詩的世界観があればこそです。
秋元康の日常を切り取って来た世界は勿論、売野雅勇ばりの耽美的表現、阿久悠の張りのあるフレーズセンス等々の正に詩の百貨店振りには、耳を傾けざる得ません。
それ故にAKB48グループのアイドル性ばかりがフィーチャーされるので、本当勿体ないなと思う訳です。秋元康の真骨頂は何であるかと言えば、公演を礎となるコンセプトアルバムのそれと言えます。
一般的に呼ばれるコンセプトアルバムにも歴史は有ります。それは壮大な哲学性であったり、オペラをモチーフであったり、架空のサウンドトラックであったり、もうアーティストの数だけ発明が有ります。
そして、AKBグループのコンセプトアルバムとはですが。各地のAKBグループの劇場に公演を想定したものを凝縮しています。
AKBは初期からのファンでは無かった為、入門編たるベスト盤が無く、何か良く分からないチームの何とかのCDばかりなのだと、蔦屋で思いっきり首を傾げていました。まあ面倒なので一括して借りましたけどね。
そのAKBグループのコンセプトアルバムを上げるとすれば、オリジナルベースでは下記になります。
・AKB48
チームA 1st Stage「PARTYが始まるよ」
チームA 2nd Stage「会いたかった」
チームA 3rd Stage「誰かのために」
チームK 1st Stage「PARTYが始まるよ」
チームK 2nd Stage「青春ガールズ」
チームK 3rd Stage「脳内パラダイス」
チームA 4th stage「ただいま恋愛中」
チームA 5th Stage「恋愛禁止条例」
チームK 5th Stage「逆上がり」
チームB 4th Stage「アイドルの夜明け」
チームK 6th Stage「RESET」
チームB 5th Stage「シアターの女神」
チームA 6th Stage「目撃者」
(未発売)チームA 7th Stage「M.T.に捧ぐ」
・SKE48
チームS 3rd Stage「制服の芽」
チームKII 3rd Stage「ラムネの飲み方」
・NMB48
チームN 3rd Stage「ここにだって天使はいる」
いやいや、もっとチームあるでしょうですけど、AKB48シングル曲ブレイク後は演目を借りるリバイバル公演が定着したので、上記の限りです。
上記以外に、公演名は多々あれど、セットリストを入れ替えた公演もあるので、それはそれですけどね。テレビで見るこのメンバーが気になった方と言う方は、配信也ディスクを探されては如何でしょうか。
因みに各チームの見所を簡単に述べますと。
チームA:元総監督の高橋みなみ中心チーム故か、楽曲の再現性を強く求められます。それに応えての抜群の安定感です。
チームK:チームの代替わりがあっても兎に角勢いが溢れます。楽曲はそれを考慮してか、パフォーマンスが多少楽曲乗り越えても成立しています。
チームB:何と言うかアイドルどストレートですよね。今のガチアイドル指向より程遠く、50%の余力を残していても公演が成立しています。まさに秋元康の本領発揮です。
チームS:楽曲それぞれに照れがまぶして有ります。これを本当に歌いこなせるかと言うと、そこはがむしゃらしか無い訳です。ここがあればこそのSKE48の評価にも繋がってる訳です。
チームKII(注.1):楽曲の完成度はグループ随一でしょう。それもこれもチームKIIにはとんでもない逸材が代替わりで台頭してくるので、楽曲に求められる高い表現力を公演できちんと魅せてくれます。
そのもっともたるが楽曲「クロス」。セブンティーンロマンスもうっかり平坦に公演を行うと、ドリフの世界へ。表現とはかくも難しきものです。
チームN:山本彩的なカリスマ性有りきの楽曲群。正直、イントロギターとジッパーしか頭に残りません。そこのエンタメ性を越えての楽曲なのですけどね。
まあですね、オリジナルと派生も含めて、こんなに公演あって、何を見たり聞いたりすれば良いかと言うと、お勧めはチームKII 3rd Stage「ラムネの飲み方」になります。
コンセプトアルバムたる「ラムネの飲み方」の制作の経緯となった逸話は、当時のチームKII のリーダー高柳明音が2011年の選抜総選挙の壇上で秋元康に対し「私たちに公演をやらせてください」と直訴した事から始まります。
全く凄い度胸です。あの秋元康にですよ。いやクリエイターなら受けて立ちもしましょう。
しかし、その時点でチームKII にそこまでのポテンシャルがあったかと言うと、やや構えてしまいますけど。結果的にダイヤモンドはカッティングされた訳です。秋元康はどれだけマジック持ってるのでしょうね。
■「ラムネの飲み方」のセットリスト及び収録曲
overture(SKE48 ver.)
兆し
校庭の仔犬
ディスコ保健室
お待たせSet list
クロス
フィンランド・ミラクル
眼差しサヨナラ
嘘つきなダチョウ
Nice to meet you!
孤独なバレリーナ
今 君といられること
ウイニングボール
握手の愛
ボウリング願望
16色の夢クレヨン
ラムネの飲み方
私がiPodで良く聞く音源は「兆し」「クロス」「Nice to meet you!」、そして「今 君といられること」でしょうか。
「今 君といられること」に関しては、作編曲が酒井ミキオなのですよ。そう「プラテネス」のOP曲ED曲を歌ってる酒井ミキオです。デビュー間も無くの頃のタイアップシングル「大切な君へと」を買った覚えがあるのですけど、ここまでキャッチな曲書ける人物になったのと、ただ一入です。
もし公演で見たら、絶対ぐっと来る曲だと思います。
しかし私はそんな機会など有る筈も無いでしょう。SKEの公演、名古屋への所用あったのですけど、応募した2公演とも大外れでした。一生に一度見れるかの田舎民でも厳正抽選結果ってなんでしょうねと、管を巻きます。
最期の動画は公式のトレーラーになります。もうちょっと尺はあっても良いとは思えますけど、ベストな選曲とも言えます。
■【公式】SKE48 teamKⅡ3rd.公演「ラムネの飲み方」アルバム発売のお知らせ https://youtu.be/zF8Yigps3KI @YouTubeさんから
■【公式】SKE48 「愛の数」~この曲の持つ優しさや温かさが皆様に届きますように~ https://youtu.be/FpSSw1o4hlE @YouTubeより
「愛の数」は、KⅡアルバム「ラムネの飲み方」の楽曲です。素直に良い曲です。アップロードもアルバムも公演も、東日本大震災後の楽曲なので、ただ優しいです。朝の通勤時のiPod視聴SKE48アワーではかなりの再生回数が高いです。いくら聞いても本当飽きないのは、秋元康は良い曲と出会ったなと思います。
チームKII(注.1)
とんでもない逸材とは。SKE48と言うべきか、狭義ではチームKIIに絞り込めます。元メンバーも列挙しますと。
歌唱:小木曽汐莉/古川愛李/佐藤実絵子/古畑奈和
パフォーマンス:高柳明音/秦佐和子/須田亜香里/山田みずほ
ざっくり私の目に付く限りですのでご勘弁下さい。
古畑奈和は歌唱の方に含めてしまいましたが、パフォーマンスも随一です。
卒業されてもピンでかなり行ける筈ですが、そこでSKE48が破綻しかねないです。現在のAKBグループで、秀逸なコーラスワークを作り出しているのはSKE48が唯一です。その中でも奈和さんは想像を絶すると言うか、自身をフラット管に重ねて歌唱していますので、ここのコーラスは、ああ奈和さんだなと思う事がかなりです。そういう楽しみ方も出来ますよと提案させて貰います。
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