第9話


初めは少し観光気分で、駅前のお店なんかをウロウロしていたが、死に場所を探しに町外れにきた。

山奥とかで死ぬのが本望だったが、その街から山は見当たらず、代わりに古そうな神社を見つけた。日も暮れてきた頃だ。仕方ない、ここにしよう。


そうして、周りから見えにくい場所を選んで首を吊った。そこから意識はないけど、私は自殺に失敗したらしい。


なんか笑える。


はは。


笑えないけど。


哀しみを超えて逆に笑いがでてきた、というよりは、自分のアホさに笑っているような気がした。

あれだけ待ち望んだこの世で、こんな仕打ちを受けるとは。




もし、来世に行っていたら。




……いや。。


私は何度同じ岐路に立たされても、また同じ道を選ぶだろう。これが本当の生き地獄だ。今までの環境と、さらに自殺未遂の後遺症を背負って生きていかなければならないのだ。

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