第8話 記憶


両親を幼くして事故で亡くし、叔母の家に引き取られて中高をすごしたが、折が合わずに針の筵になっていた。

さらに学校でもいじめられていて居場所が無かった。


そんな中でも、私と仲良くしてくれた男の子がいた。サキという子で、中学が一緒だった。

学校ではいじめられ、家の環境も良くない私にとって、学校の外でサキと過ごす時間はかけがえのないもの、生きがいだった。


そうして中学3年間をサキとすごしたが、高校は離れてしまった。高校に入っても私はいじめられていた精神的なショックで不登校がちになっていた。サキとは時々連絡を取り合っていたが、ある時を境に連絡が途絶えた。メッセージを送っても返信がこないのを不思議に思っていたが、

数日後に亡くなったというのを聞いた。




そこからどんどん堕ちていった。ストレスで髪の毛が抜けるようになる頃には、自殺の二文字で頭はいっぱいだった。私には 死 という選択肢しか残されていなかった。


ホームセンターで紐を買った。

結構丈夫なやつ。


どうせならいじめてくる奴らとか、叔母に見せつけてやろうかと思ったけど、私は電車で、誰も自分を知らない街に行く事にした。


鞄に携帯と紐、それから雨が降りそうだったので、傘を持った。終点までのって、コヨド、という駅についた。まあまあ田舎で、でもお店とか結構あって、いい街だと思った。



そしてここで死のうと、決意した。

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