インスタ、いじめ対策す

2019年7月12日(金)中国新聞。

インスタがいじめを助長するという批判をうけて、

コメントを再考する表示や

不快な記事が見れないようにする対処を

AIを使ってやりはじめた、そうです。


技術が表現を規制し始める時代。

いまは直接的な攻撃表現が規制されるかも知れませんが

いずれは間接的な表現(イヤミや皮肉やイジリ)さえも 「いじめを助長する」 という意図のもとで

SNSで見られなくなるのでしょう。

なにがいじめになるのか、不快な表現とはなにか、

AI に任せてだいじょうぶなのでしょうか。

いろんなひとがいるのに、類型にはめてませんかね。


国家が表現の自由を規制するのは憲法で禁止されていますが

自主規制はどうなのかはだれも言わない。

小林よしのりなんかは、差別的表現のなかには

笑いが含まれているから

それを抜きにした笑いは気の抜けたビールみたいで

とても鑑賞に堪えるもんじゃない、みたいなこと

書いてた気がします。

よしのりはきらいだけど、言ってることは一考に値する。


傷つけ合うことで確かめ合う愛ってヤツもある。

傷つけなければわからない人間もいる。

いじめは悪いとわかっていても、人間は動物だ、なくすのは無理だと思う。

陰湿ないじめがクラスにあっても、それがあることで一定の平和が訪れているのは

事実じゃないかと思ういじめられっ子のわたしがいる。

それを変えるには、人間への深い洞察や哲学に沿った教育が必要ですが、

いままでの日本の成功体験、あるいは「常識」、「和」 という名の規制がそれを阻む。


文字で攻撃することと、口にして攻撃するのとでは違うことが

中高生にはわからない。

それを考えさせるきっかけさえ、与えられていない。

「ケンカはだめよ」 「暴力はいけません」

わんぱくでもいい、たくましく育って欲しいというのは昭和のCM。

いつから「素直な戦士たち」がもてはやされるようになったのか。

おかげで多くの子どもたちは、発達障害や不登校で苦しんでいる。

学校が生徒に合わなくなっている。

政府も教育界も、打つ手なしの知らんぷり。


いまの常識が覆されないかぎり、

いじめの根本的な解決はあり得ないというのがわたしの絶望的な持論です。

あとはSNSに関する危惧もある。

投稿する前に一呼吸置こう、「冷静になってください」 と助言するのはたしかに必要ですが、

その助言をするのが哲学者ではなく、企業側の用意したAI だというところが引っかかりますね。

いじめっ子はいじめていることに無自覚だったりするんです。

気が向かないからガン無視する、それだけ。

企業はそこにつけ込む。親御さん、ユーザーのみなさん、マスコミさんに政治家さん、

お金と技術さえあれば、この問題を解決できますよ。

ほんとでしょうか。


人間って、巧妙な面がある。

AI に指摘されないように工夫した文面を書いて、いじめる可能性もある。

だれが見ても公平で傷つかない文章なんて、だれにも書けない。(神さまじゃあるまいし)

笑いをとるという攻撃方法だってあるし、

のび太をいじめること自体が定番になってる 「ドラえもん」 のジャイアンみたいな例もある。

マジメで型にはまろうとすればする人ほど、

閉塞感がぬぐえない現状。

悪知恵の働く連中が、どんどんのさばっていくのでしょう。

「承認欲求」 だけで成り立つ世界って、こわいね。

肥大した自己をもてあそんで、イイネをつけ合ったりコメントをつけたり。

自分がほんとうは何がしたいのか、いろいろなことに「忙しい」なか、見失っていくのかもしれない。


政府も思考停止な道徳教育をしてるから、「AIが助言してくれるからいいじゃん」だよな。

めんどくさいからだれも問題視しようとしないし、話を聞こうともしない。

いいのか、これで。

もっと考えようよ、みんな。


……このサイトにはアクセスがあまりない。

だから影響力はあまりないかもしれない。

それゆえに言ってやりたいことがある。


「いま」 「便利」 で 「役に立つ」 からって、

それが 「幸せ」 に結びつくとは限らないよ。


それにしても、ほんとうの幸ってなんだろう。

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を再読しつつ、考えてしまう

今日のわたしでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る