『子どもが難病と診断されまして』(02)

小児科の診断室にもどっていく母親。

娘の脳のCT画像が映し出されています。

白っぽい丸い部分が水玉模様のようにたくさんある脳の断面の画像。

素人目にも異常だとあきらかにわかります。見るたびきゅうっと胸が締め付けられる。


と、記事に書いてありました。




実母のことを思い出しました。

実母はくも膜下を2週間わずらって亡くなりましたが、

80年代だったため、MRIはとれず、CT画像でした。

脳幹がまっくろでね。

出血がひどかったんですよ。

「処置が早かったから、80%の確率で生還します」

と言ってたのが、

「70%……」

「50%……」

 だんだん生存率が減っていって 「植物人間になるかも」 なんて言われて衝撃を受けました。

 いまでも忘れないのは、親戚のひとことでした。

「あんたらが面倒をみるんやで。うちは関係ない」

 母が死んだ直後には、

「形見分けをしろ」

 と葬式で言ってたっけ。

 人は危機に立たされると正体を現します。

 立ち向かう人、逃げる人、足元をすくう人。

 親がいなくなったとき、すべてが狂ったのがわたしの実家でした。

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