映画泥棒?

上映中に、スマホをいじらないでー

というツイッターを見つけました。

まっくらな映画館の鞄のなかでスマホがぴかーっと光って、

マジ邪魔だそうです。

「映画泥棒! にすればいいじゃん」、という声も聞こえます。

聴覚障碍者が、スマホの助力を得ているということは、

この際、脇に置いているらしい。

映画泥棒はいけない。それは常識かもしれませんが……

あえて反対論を述べてみる。(わたしは考えるのが好きなのさ)


著作権はなんのために

先月、インターネット上のコンテンツに関する著作権法の話が

ツイッターを賑わせていました。

海賊版をやめさせるためだったはずの著作権法改正。

ところが、なんでもかんでも罰せられるとなって、

「みんな、萎縮するぞ」

一番被害を受けてるはずの漫画界の会長(竹宮恵子)さんが

警告を発する事態になりました。

その後どうなったのかな。その法律が取りやめになったって聞いたけど

ほんとに? (笑)

こんな話を聞くと、著作権ってなんのためにあるんだろう

なんて思っちゃいます。


粗悪なコピー製品が出回ることで、業界の質が落ちる

それはひとつの見方ですが、

一方で、ロシア語の字幕の付いた ネット版 『銀英伝』(古いレーザーディスクのやつ) を見て

ロシア人が、日本語の原作本を買い求めたって話も聞きますからねえ。

絶対悪って、この世にはないのかもしれません。

泥棒にも三分の理。


カネ・カネ・カネ

タテマエが綺麗でも、本音では 「本家を買ってもらって

儲けたい」 というのが出版社たちのご意見でしょ。

自転車操業をしているから、しょうがない面もある。

カネが絡むと本性がわかりますね。

著作権に関する教育をされてない人間を、

むやみに罰してどうなりますか。

教育と罰は、表裏一体でやっていかないと。


それに。

オリジナリティは模倣からはじまる、という偉人たちの言葉を見る限りでは、

粗悪なコピー製品のなかにも、きらっと光る個性があるのかもしれない。

オリジナリティ神話も行きすぎると

商品としての 『作品』 も、だんだん窮屈になって

息が詰まるものになるかもしれませんね。


日本の表現の自由を殺そうと思えばカンタンです。

「それはパクリだ!」

ひとことでOK。

宮崎駿が『となりのトトロ』で、お母さんのお見舞いのために

子どもたちが空を飛ぶシーンは、

ヒルダさんの児童小説『飛ぶ船』からヒントをもらってる(パクリ)と言ったら

怒られますかね。

だれかに影響されてない作品なんて、作れるんだろうか。

どこまでが 「盗作」 なのか、「海賊版」なのか。

中国あたりが、人の作品をそのまんま使って、自分の作品です、と言ってるらしいけど

東洋の思想には、著作権は異質な考え方かもしれません。

けっきょく著作権って、「じぶん」 が関わってくるから。

個が大事な西洋には、なじみやすいんです。


文化の違いって、あるよね。

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