第39話 犯人


 向かうは職員室。

「すいません! 鬼島先生はいますか!?」

 駆け込みドアを開け思い切り尋ねる。中に居た女性の教員が応対する。

「ちょっとあなたたち授業中でしょ……いえ……あなたたち二人って事は……そういう事なの?」

 この学園はAoBの管理する学園だ。その職員も白紙化現象に通じている者が多い。

「いないんですか?」

「ええ……今日は少し具合が優れないので早退するといって帰っていったわ」

「鬼島先生の素性が分かるものは?」

「あるけど……経歴に不審な点は無いわ。確かにAoBに関わっていないというのはあるけど、一般の先生もこの学園にはいくらでもいるわ」

「なあ、ハク……タイプ:ライターってそこまで万能なのか?」

「ある程度の事なら何でもできる……あなたが一番よく理解しているはずでしょ聯」

「じゃあ! 鬼島先生の家を教えてください!」

 渋々、了承してくれた先生に感謝しながら、二人は学校を出た。

「バイクで行きましょう」

「げっ、また二人乗りか……」

「だって聯がまだ免許取ってないから」

「くそぅ」

 ハクのバイクに乗って二人は教えてもらった住所へと向かった。


 たどり着いた、その場所は……。

「おいおい……」

「これは……」

 むき出しになった地面、手前に張られたロープ。売り出し中の看板。

「空地じゃねーか……」

「でもこれで分かった鬼島先生は完全に黒、サードに間違いないわ」

「なあ、明日からアイツ学校に来ると思うか?」

「必ず来る。だってもしサードの目的が糺と共に行動していた時と変わっていないとしたら……」

「……! 必ずハクを狙って来るって事か!」

 それではハクを囮に使っているようで嫌な気分だが、それでもやるしかない。勝負は明日。聯は強く拳を握りしめた。

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