衣笠真理亜の真実
「動くな」
「アキラくん、助けに来たよ」
俺は狂ったお前を助けてやりたいよ。
「……どうして、ココがわかったの?」
家の
「わかってなかったよ?」
「どーゆー意味?」
「ハッタリ。
将来の夢は、スパイかな?
「だとしても、正確な位置は――」
「お兄ちゃんから離れろ、サイコパス女」
走ってきたらしい
「お兄ちゃん! 私、頑張ったよ!
「淑蓮ちゃん、ストップ」
水無月さんの呼びかけに、妹は足を止めて舌打ちで
「なんですか? 位置情報を伝えてあげたの、誰だと思ってるんですか?」
「あの
「お兄ちゃんになら、あげるよあげる! 私の全部、あげる!!」
やったー! 妹の
「電話で言ってた『見つけた』は、あたしと桐谷を外に
「アキラくん、
「あと、ゆいの忠告を聞かなかったアキラくんはお
あ、コレじゃご
体液は最高のスパイス!!
「先輩に言っておきますけどー、またお兄ちゃんを連れ去るようなら、こちらにも考えがありますよぉ?」
「え? 淑蓮ちゃんに、なにができるの?」
「貴女を殺せる」
ダメだわ。思考回路が殺意と
「でも、その前に、
俺は、普通に赦してるぞ!
「……同意だね」
水無月さんの
最早、抵抗する気はないのか、衣笠は諦めたように目を閉じて――俺は、水無月さんの手を掴んだ。
「アキラくん? 良い子だから、手、離して?」
眼の死に方がスゲぇ!!
「ゆい。コイツは、主犯じゃありません。
「誰?」
短い問いかけに対し、俺は真っ直ぐに、さっきまでいた家の中を指差す。
「犯人は、この中にいる!!」
この調子で時間
「俺が今から、そのクソ野郎を呼んできますよ!! 待ってて下さ――」
「アキラくんは、
アナタ、呼んできてくれる?」
「アキラくん!!」
衣笠真理亜が消えた瞬間、水無月さんに背後から抱きしめられ、興奮で息を荒げる彼女に首を舐め回される。
「好き……アキラくん……愛してる……んっ……アキラくん……アキラくん……!」
ちゅっ、ちゅっ、とリップ音を鳴らしながら、犬歯で俺の血管を食い破り、水無月さんは
「ぁあ……! お、美味しいよ、アキラくんの命……! ご飯にかけて、食べたいくらい……!」
アキラは、うごくふりかけにランクアップした!(
「お、お兄ちゃんに触るな……! さ、さわ、触るな……!」
このままでは、妹が人ではなくなってしまう!
「ん~? なぁ~に~?」
スタンガンで
「お兄ちゃんに――」
「アキラ様に触るなァ!!」
玄関から飛び出してきた黒髪の少女は、勢い良く頭から水無月さんに突っ込み、俺の血を
「……はぁ?」
マウントをとられた水無月さんは、冷静かつ的確な判断力で
「その黒髪……アキラくんの下駄箱に入ってた……お前か……!」
「この黒髪、全部、抜いてあげるね? アキラくんにお
長髪を掴まれたアキラ教の
「……やっぱりか」
〝
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