夕景を駆ける

茜射す上り坂

見上げれば咲く金星を

手に触れて 確かめたくて

届かなくて でも手を伸べて

夕景を蹴った


西の空を流れる雲

午後六時 藍と茜の融解

迫る夜に怯える前に


今 走り出せ

青いスニーカー履いて

沈む夕日を追い越して

丘を駆け抜け突っ切って

金星めがけて跳躍だ


息を切らして走れば

風たちの声が からだを押して

地球の縁を離れた


茜が溶ける空を駆け抜けて

地平線に浮かぶ月を越えて

金星に手を伸ばすんだ


会いたかったよ と

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