境界線

耳を塞いで 目を閉じて

体の中身を探り出す

心の奥の灯に

声を出さずに問いかける


足を止めて 両手を固めて

周りの物は得られないから

僕は呼吸を止めて

当たり前のように生きるのを

やめることにした


僕と世界の境界線

心の隔たりを越えて

草原の向こうに飛び出した

鮮やかな色をした

空と海と陸が

まっすぐに並んでいた


綺麗だ と 呟くと

綺麗だね と 声がした

たくさんの人がいる

みんな 前を向いて笑っていた


僕は一人じゃない


耳を澄まして 目を開けて

広がる世界を探り出す

世界が僕に 僕が世界に

溶け込む瞬間を

五感で受け止めて


それから

僕は鼻歌を奏でて

再び呼吸を止めて

生きる喜びを考えることにした


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