31 可愛い少女



1人でスライムかゴブリンを倒すしかない


手伝ってもらうと私に入る経験値が0になるし……


昼休憩になったので読書をやめて食事をした


昼から私も稽古に参加する


「えいっ えいっ えいっ えいっ えいっ」


素振りをしていると


おじいさんと魔王が手を止めて 空を見上げた


なんだろう 


私も空を見上げると


「えっ ドラゴン」


黒竜が向かってくる


ちょっと 待ってよ え~と そうよ


私はおじいさんの後ろに移動した


何かを叫びながら


黒竜から可愛い猫耳の少女が飛び降りてきた


少女は魔王と何かを話している


魔王の仲間なのかな?


少女は黒竜を指差し何かを言ってきた


魔王が黒竜に乗り おじいさんも躊躇なく乗った


えっ 本当にドラゴンに


魔王と少女がジェスチャーで早く乗れと言っているようだが……


「わかったわよ 乗るわよ」


黒竜と目が合わないように後ろから乗った


おじいさんに抱きつくのは……そうよ


私は少女の後ろに行き 少女の肩を持つことにした


黒竜は空に舞い上がり 速度を上げた


しばらくして 森に向かって急降下


私は少女に抱きつく


大丈夫 大丈夫よね


地面にぶつかる前にゆっくりとした速度になり地面に降りた


私達が黒竜から降りると黒竜は少女の指輪の中に消えていった


少女が森の奥を指差す


そして魔王も


私に進めと言ってるの?


剣を構え 森の中を進むと 前方にスライムが……3匹


青い……半透明の丸い魔物 


本では見たことあるけど……


後ろ振り向くと剣も構えずに3人が私を見ていた


やっぱり私1人なんだ


女の子も一緒かもって期待してたけど……


私は剣を構えてスライムに攻撃した


「えいっ」


スライムは真っ二つになった


「やった~」


と思ったらスライムが1つに戻った


「えっ」


どうして


「きゃっ」


強い衝撃が


他のスライムに攻撃されたようだ


痛い そういえば 魔物の攻撃を受けたことなかった やっぱり痛いのね


私は3匹のスライムを警戒しながら もう一度剣を振った


「えいっ」


するとスライムは溶けたように死んだ……お金が出たので間違いない 本当に10エンなのね


残り2匹


「えいっ やあっ」


スライムに斬りつけて体当たりしてきたもう1匹のスライムの攻撃をかわしながら追撃した


よし かわせた よく見れば問題ない


いつもの稽古を思い出しながら剣を構える


「えいっ やあああああぁ~」


2匹のスライムが溶けた


「よし」


後ろを振り向くと おじいさんが私に

近付いてきて


近いよ


私に触ってきた


「えっ ちょっと えっ 何っ」


セクハラではなくて……身体が温かくなり痛みが消えた……回復魔法だったようだ


「ありがとう」


回復魔法って 触らなくても出来るって聞いたことあるけど……


少女が森の奥を指差したので その方向に進むと


ゴブリンがいた


1メートルくらいで緑色 2足歩行の魔物


今度は1匹


「えいっ やあっ」


ゴブリンに剣を振り下ろし そしてすぐに振り上げた


2度の攻撃でゴブリンは倒れてお金を出した


「よし 今日こそはレベル10になるわよ」


私が叫ぶと後ろから声が


「にゃ レベル10にゃん?」


振り向くと少女だった


「えっ 私の言葉がわかるの?」


期待を込めて聞くと


「わかるにゃ レベル10にゃら ゴブリン225匹にゃ 残り223匹にゃん」


「えっ えええ~ そんなにぃ~」


「そうにゃ もっと倒すにゃ 次にゃ~向こうにゃん」


私は少女に言われた方向に進んだ


「私はイリス 名前聞いてもいい」


「セネにゃ」


「セネさん セネちゃん……」


「セネでいいにゃ イリス」


「うん よろしくね」


「はいにゃ」


「セネって強いの?」


「最強にゃ」


「最強なんだ~ あれっ 魔王の部下のセネって……当時最強だったゴラン王国を1人で滅ぼした魔王の部下と同じ名前だけど……」


「そうにゃ でも内緒にゃ タナトス様も知らないにゃん」


「タナトス様?」


「後ろにいるにゃん」


セネが魔王を指差した


「あっ 魔王の名前ね」


「そうにゃ 魔王タナトス様にゃ……にゃ ゴブリンにゃん」


セネが指差した方を見るとゴブリンが5匹


「ちょっと 多いいわね セネちゃんも手伝ってくれる」


「ダメにゃ 1人で頑張るにゃん」


「えっ」


セネから背中を押された


「やるしかないようね」


よし 先頭の1匹を一瞬で倒す


稽古を思い出しながら斬りおとし からの~ 斬りあげ


ゴブリンが倒れお金を出した


「よし」


次は囲まれないように左からね


1番左のゴブリンに斬りおとし そして横斬り 剣を横に向けたまま 左前に走り 他のゴブリンから距離をとる


よし 大丈夫 いける


気合いを入れる……が


残り3匹が倒れていた


「ゴメンにゃ ついにゃん」


セネが倒してしまったようだ


……

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