第14話 俺の寿命は100歳


いろいろ考えたが何も浮かんでこない


なんとなく鑑定魔法を使おうとすると 城を鑑定することが出来た


鑑定 クレーナガ城 所有者 あつし


あれっ この城って俺の城なのか?


俺って王様?


しかし……イリスはこの城に部屋を持っているし 俺の子供? いや 孫なのか? 俺のことを知らないようだが…


どうなってる?


王座の近くの死体を見ると 格好的に王様やお妃様みたいな死体があった


俺が王様ではないようだが……


王座に座ってみると


タナトスとイリスが何か叫び出した


怒っているようだ


俺の城なので問題ないと思ったが……


俺は2人に鑑定するように 王座を指さし見るジェスチャーをしてみた


タナトスとイリスは首をかしげた


う~ん 伝わらないか 鑑定してほしいんだが……


しばらくして タナトスが驚いたような表情を浮かべた


んっ 鑑定したのかな?


タナトスがイリスに向かってジェスチャーで鑑定するようにうながしている


イリスは首をかしげている


全く伝わらないようだ


そもそもレベル1のイリスが鑑定出来るのかわからないが……


結局伝わらないまま 時間だけが過ぎていく


話すことも出来ないので距離をあけて 座ってぼーと考えるだけ


お腹が空くし トイレに行きたくなるし 夜になると眠くなる タナトスからなぜか離れることが出来ないので3人で行動するしかない


10日くらい過ぎたがすることがない


10日でしたことといえば 死体の埋葬


死体の数は1000体以上あった


俺とイリスが死体を運ぼうとしたら タナトスが次々に死体を消した


外に出てから タナトスは死体を次々に出した


どうやらアイテムボックスに収納していたらしい


俺達は穴を堀 次々に埋めていった。


掘るといっても タナトスの土魔法だ


何度か見ていると俺にも出来ることがわかった


イリスには出来ないようなので 供える花を集めてもらった


王様と妃様ぽい人の墓の前で手を合わせてイリスはしばらく泣いていた


親なのか……イリスは姫なのか……


この城の所有者は俺になっているけど……



奇妙な3人の生活は続いた


俺が暇潰しに剣を振っていると タナトスが近づいてきて 横で剣を振りだした


暇なので仕方ないが


タナトスが木の棒を2本持ってきて 1本を俺に渡してきた


稽古したいようだ


なんとなく毎日 剣の稽古をすることになった


最初のころは見学していたイリスも あるときから素振りを始めた


俺がタナトスとイリスに剣を教えるかたちになっていった



3人で剣の稽古をする日が何日も続いたある日


稽古をしていると何だか身体が重い


苦しくなり 咳をすると血が


意識がもうろうとしだした


何だか ヤバイような……もしかして……寿命なのか


そう俺は100歳


信じられなくて何度も鏡で自分の姿を確かめた


おじいさんだった


死ぬのか…… 自分の死期はなんとなくわかる


タナトスが何かを叫ぶ 


振り向くと タナトスが俺に何かを渡してきた


飲むのか……? 薬?


鑑定すると エリクサーとなっていた


飲んでみると 頭の中でいきなり選択肢が出てきた


寿命を10年伸ばすor10歳若返る


あれっ 同じではないのかな?


俺が10歳若返るを選択すると苦しさはなくなった


鑑定 あつし 90歳 勇者 レベル851


タナトスに礼を言う もちろん通じないが伝わっているようだ


もっとないのかジェスチャーすると 伝わったようで 両手でバッテンされた


ないのか……くれないのか……


タナトスは少し考えた後で 手で指さしついてこいのジェスチャーをしてきた


ついて行くと死体を埋めた墓だった


タナトスは前に襲ってきた6人の墓を堀 死体を取り出した


そして勇者だった死体を炎の魔法で燃やし灰も残らないように


何を


イリスも何か文句を言っているようだ


死体が完全に消えたとき いきなりアイテムが次々に現れた


いろいろなアイテムが……勇者のアイテムなのか……勇者のアイテムボックスのアイテム?


考えているとタナトスがアイテムを一つ渡してきた


それはさっきと同じ エリクサーだった


俺はタナトスに頭を下げてお礼を言った


そして 再びエリクサーを飲むと また表示が出てきた


もちろん10歳若返るを選ぶ


俺の年齢は80歳になった


残り5人の死体も焼やしつくしたがエリクサーはなかった


しかし いろいろな装備やアイテム そして新鮮な食べ物が手に入った アイテムボックスの中は時間経過がないようだ


食べ物を3人で分けようと思ったが イリスはアイテムボックスが使えないようなので タナトスと俺のアイテムボックスに入れることにした

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