第11話 罠
本文
今日こそは結婚の指輪を勇者様に渡して見せる
既に勇者様とキスを10回もした
勇者様が眠っている時に……
お父様 お母様 イリスは今日 結婚します
剣の稽古が終わり 2人の墓の前で誓った
おやつを食べ終わり勇者様を見ると何か考え込んでいた
私は横で黙って見ていた
すると 勇者様がテーブルに水晶の欠片を取りだした
なんだか必死に訴えてきた……
この水晶の欠片は 精霊の女の人が出てきた玉
これが欲しいのだろうか……
考えていると 魔王が分かったようで 立ち上がり 指で差し ついてこいのジェスチャーをした
魔王は地下室に繋がる扉を開け 階段を降りていく
私は勇者様と手を繋ぎ アピールするために寄り添って歩いた
どこに行くのかな この先は何もない地下室なのに
魔王は地下室の中央で立ち止まり 指輪を次々に付けていった
あれは召喚の指輪?
だとしたら 危険 あの獅子王達が……
急に寒気が……嫌な感じが……
私は勇者様の手を強く握りしめた
勇者様は私の前に立ち剣を構えた
その瞬間に魔王の手下が10人現れた
あれは 私達を守ろうとしてくれた勇者を一撃で倒した獅子王……
他の9人もあの時にいた人達
私は恐ろしくなり勇者様の背中に抱きついた
しばらくして 周りから声が
彼らが私達を包囲して何かを言っているようだ
恐い でも私には勇者様がついている
勇者様がいれば そうよ 私は今日勇者様に結婚の指輪を渡すって決めたんだから
勇者様と2人なら大丈夫
床に何か文字が……そして私と勇者様 魔王を囲む光の円が……
次の瞬間 光が私達を包む
そして光が収まっていく
あれっ 勇者様の服が……
裸に?
「きゃああああああ~」
私は思いっきり 突き飛ばしてしまった
「なんで なんで 私の勇者様が……」
目の前に裸のおじいさんが……
おじいさんが私に近付いてくる
にやけた顔で……
ヘンタイ
「きゃああああああ こないで こないで」
私は後退りながら叫んだ
何で どうなってるの……
魔王が何か 魔王の呪いなの……
罠?
魔王の罠だったの……
私は泣きながら座り込んだ
やられた
やはり魔王は恐ろしい
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