第6話 ポーションを飲むと光?
おじいさんと魔王と私の奇妙な生活が続いた
数日たったある日 暇になったからなのか おじいさんと魔王が剣の稽古を始めた
あれっ 魔王って 剣が得意じゃないの?
剣のことはわからないけど おじいさんのほうが 動きがキレイに見える
魔王は真剣におじいさんの真似をしているようだ
おじいさんの動き キレイ 達人っていうやつなのかな?
私にも出来るようにならないかな……
近くに落ちている棒を拾って おじいさんの真似をしながら振ってみた
魔王が私に近付いてきて木の剣を渡してくれた
「むっ あ ありがとう……」
私の目標は魔王を倒すことなのに……寝首をかかれるって わかってないの?
「えいっ えいっ えいっ えいっ えいっ」
今日の目標は50回
終わると次は型の練習のようだ
相手は魔王 おじいさんが横で手本を見せてくれる
それを魔王に向かって剣を降る
それが終わると打ち込み 魔王に向かって剣で攻撃
恨みを込めないようにしないと……
「えいっ やあっ しねえええ~っ」
全て余裕で受けられる
……でもいつか……必ず……
私が休むと おじいさんと魔王が戦闘形式での稽古を始めた
戦闘形式でも 私に見せるためなのか ゆっくりと動いている
休憩を終え 素振りを始めると おじいさんと魔王の戦闘形式の稽古はいつも通り早くなった
やはり私に見せるためだったようだ
見ることも稽古なのかな?
言葉が通じないので聞くことが出来ない
自分で考えて強くならないと
「えいっ えいっ えいっ えいっ えいっ」
そんな日が何日も続いたある日
私はいつものように おじいさんと魔王の戦闘形式の稽古を見学していた
突然 おじいさんの動きが止まった
魔王も動きを止めて おじいさんの様子を伺っているようだ
「おじいさん どうかしましたか? 顔色が悪いようですが……」
その時 おじいさんが咳き込み 血を吐いた
「きゃっ おじいさん 大丈夫ですか えっ どうしよう え~と」
どうしよう 風邪じゃないよね……血を吐いてるし……そうよ ポーションが城のどこかに
「魔王さん 城にポーションがあると思います あっ え~と 向こう 向こうです」
もちろん 通じない 必死に城の中を指差した
魔王がどこからか ポーションみたいなのを取りだし おじいさんに渡した
「えっ 持っていたんだ よかった」
おじいさんがポーションを飲むと おじいさんの身体が光出した
「凄い」
おじいさんの顔色もよくなったように見える
おじいさんは魔王にお礼を言っているようだ
その後 おじいさんが魔王に更に要求しだした
意外とずうずうしい
ポーションなら城に沢山あると思うけど……
魔王は少し考え 指で行きたい方向を差し ついてこいのジェスチャーをした
ついていくと私達が作った墓だった
魔王はいきなり墓に穴を開けた
「えっ 何やってんのよ」
その墓には勇者の……
更に5つの穴を
魔王は勇者のパーティー 6人を墓から取りだした
そして勇者の遺体を炎の魔法で燃やし 骨も灰も残らないように……
私は思わず叫んでしまった
「きゃあああ~ 何してるのよ 死者に対して 何を」
やはり魔王は恐ろしい
遺体が完全に消えた時 いきなり アイテムが次々に現れた
魔王はその中の1つのアイテムを拾い おじいさんに渡した
おじいさんは受け取り 魔王にお礼を言っているようだ
「受けとるんだ~」
皮肉ぽく言ってみた どうせ通じないし
おじいさんがポーションを飲むと また光出した
その後 残り5人の遺体も完全に燃やし尽くし アイテムを大量に取り出した
おじいさんと魔王は出てきたアイテムを見て なんだかがっかりしていた
ポーションみたいなのは沢山あるけど……お目当てのポーションはないみたいだ
新鮮な食べ物 作りたての温かい食べ物等 沢山ある
ジェスチャーで私にも拾うように言ってきたので 美味しそうなパンとミルクを貰うことにした
もっと拾えって言っているようだが 一度にそんなに食べれないし 持てない
私が持てないことがわかったのか おじいさんと魔王が2人で分けるようだ
出てきたアイテムが全て消えていった
あれはアイテムボックスという魔法なのかな?
アイテムボックスに入れると時間経過もなく いつでも新鮮な食べ物が食べられるそうだ
そういえば 城の食料庫にあった保存の効かない食べ物が全てなくなっていた
それなのに 毎食 美味しい食事が3人分 テーブルの上にある
おじいさんか魔王のアイテムボックスに入れていたものだったのかな……
アイテムボックスに入るものの大きさ 量もレベルで決まると習ったけど……そんなに沢山入るって……レベルいくつなのかな……50……100……
剣に魔法 私も覚えないと
魔法を使うためにはレベルも上げる必要があるみたいだし
よし 明日からもっと剣の稽古頑張らないと
それからスライム退治
そして……
魔王を睨み付けて私は誓った
「魔王を倒す」
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