003 類似する世界Ⅲ
「な……」
「う、うっ……」
問題はそこではない。
「す、すまない! い、いますぐ手を……う、うわぁあああああ!」
すぐに立ち上がろうとすると、濡れた床に足を滑らせて、そのまま前に転ぶ。
「あっ……うっ……きゃ、きゃっああああああ!」
悲鳴と共に、俺の頭の上に硬いものが思いっきり降りかかってきた。
そして、意識が朦朧とする中、視界が少しずつ消えていく————
ガクッ————
そのまま俺は木を失った。
「う、うん……頭が……」
後頭部を手で押さえながら俺はゆっくりと体を起こした。
「お父さん、これってどうゆう事なの? 今までこんなバグなんて起こらなかったじゃない!」
「い、いやぁ……俺に言われてもどうしてこうなっているのか分からなくてなぁ……」
春の父親は困った表情をしながら頬を書く。
「分からないって! この世界に閉じ込められてこんな事、一度も起こらなかったのにどうしてこうなったのよ!」
春はものすごく起こっている。
「まあまあ……そんなに怒らなくてもいいだろ?」
「んもうっ! こんなことで私はどうなったか————」
春は頭を掻く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます