第2話 唐揚げと新たな質問
「何故俺の机に唐揚げが?」
そう、俺が孤独を感じ、思わず紫の付箋の質問に答えた翌日
俺の机には唐揚げが置いてあった。
「先輩、食べないんですか」
「いや、俺のじゃないと思うけど」
「じゃあ私が食べてもいいですか」
嬉しそうに俺の机から唐揚げを奪取するポニーテールの女の子。
バイト仲間の
江島がここで働きだした。
二人ともおれが指導担当だが、おれにはタメ口に近い。
「いいけど、お腹壊しても知らねぇぞ?」
「大丈夫ですよ。揚げたてみたいだし」
美味しそうに頬張る彼女に開けれながら唐揚げのパックに
貼ってあった緑の付箋を見る。
「趣味は?休日は何をしている?尋問かこれは」
確実に唐揚げはおれに用意されたものだ。
「ほいしいです。これ」
「むぐっ!!」
牛久が俺の口に無理やり唐揚げを押し付けた。
「まぁ、美味しいけど」
そう言うと牛久は嬉しそうに笑った。
「誰かわかりませんが唐揚げのお礼に返事、書いてあげたらどうですか」
最後の唐揚げを食べた牛久が空のパックをゴミ箱に捨て仕事に出て行く。
「返事ねぇ、まぁいっか」
俺は緑の付箋に答えを書いた。
趣味 映画鑑賞、シナリオを書くこと
休日 本屋や街をぶらぶら歩く
「今度は何が起こるのかねぇ・・・」
俺は自分の机に貼り付けた付箋を見ながら、バックヤードから
出て行った。
足取りは何故か軽かった。
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