雨降る夜更け


どちらが空で どちらが大地か

空へと落ちる水滴が 境界線で大きく歪む


ぼくが見上げる 鉛の雲が

無限に生み出す液体は

ぬるい身体を優しく溶かし

白いつららの ひと指しとなる


硫酸を溶かした雨粒が

渇いた眼球を潤して


ゆっくりと瞬くと


世界がそっと 身じろぎをする

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