黄色の繭
熱い湯気の向こうがわに
おまえの影が揺らめいていた
ぼこぼこと泡立つ絹糸の
醜いさまを見つめていた
私は少しも役に立てずに
おまえの姿を目に焼き付ける
真白い湯気の向こうがわ
真白い絹の向こうがわ
私は少しも役に立てずに
湿気った部屋の片隅で
汗を拭って生きるおまえを
せめて この目に焼き付ける
真白い湯気の向こうがわ
真白い絹の向こうがわ
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