Interval

幕 間

……まばゆ閃光せんこうと共に、LOQCSの話しも途切れてしまった。


 すさまじいその光景は、まさに劫火ごうかごとし、惑星の断末魔だんまつま。私は反射的に、ヘルメット越しにも平手で目をおおっていた。


 周りの隊員たちは、メドゥーサの眼光がんこうを浴びたように、岩塊がんかいの如く固まっている。

 私たちの居る時空は、相転移そうてんいでもしたかのように、次元を超えてしまったのか。


 果たして、先に脱出していたジーン達は無事なのか。銀河一の高速宇宙船も劫火にまれ、宇宙の藻屑もくずと化してしまったのだろうか。


 何度もその答えを求めてみたが、完全無欠のLOQCSが、空中パネルも消え応答しない。

 それはLOQCS自身も、計り知れない程の衝撃を受けたあかし。




 暫らくすると、パネル表示が、前頁のコンテンツに戻っていた。

表示されているは――――

『The Ship's Log』(航行日誌)なる新たな項目。


 開いて見ると、それはシルバーファルコム号の航行を記録した日誌であった。

 科学の粋を集めて建造された新型宇宙船の航行は、継続されている。宇宙ファルコンは無事なのだ。ジーン達は生きている。


 しかし、私の脳裏のうりには、一つの疑問が浮かんだ。

「母星である惑星が消滅してしまったというのに、どこが救世主なのだ?」


 その難問の答えは、キャプテン・ジーンが記録している航行日誌にあった。

 航行日誌には、音声日記と映像記録が、ジーンの視点で記されていた。しかもその記録データは、宇宙船からLOQCSへ自動転送されていたのだ。


 ジーン自身が語る新たな運命の物語は、未知の惑星で繰り広げられて行く。

 それは人類の存続と、その未来を懸けた大冒険の旅であった。




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