裏表少年と笛吹き死神 第6話 (平城山松前 作)

「こんにちは!」

「こんにちは!」


今日は前回より時間が早いな。死神にはだんだん驚かなくなってきたが。


「今日はポーカーをしましょう!」

「それなら一回やったことあります!」


『ポーカー』か。ならどうやってコイツを出し抜こう?…よし、あの手で行こう。


「今回は先に5勝した方の勝ちにしましょう。いいですか?」

「わかりました!」


〜第1試合〜


「う〜ん、今の手は少し芳しくないな。じゃあ3枚交換だ!」


実際手元にはワンペアしかできてなかったしその他のカードは交換してもいいだろう。お、いいの引いた


「では僕のターンですね。僕は2枚交換します。」


え、じゃあもうスリーカードはできてるの?まじで?


「ではお互い開きましょう。せーの!フルハウス!」

「ツーペア!…負けました。」


〜2試合目〜


ここからが本番だ。手札は…良くないか。ならば!


「おっ!結構いいな!じゃあ一枚だけ交換します!」


作戦『相手にいい手だと思わせて相手の自爆を狙う大作戦!』

この作戦のデメリットは結局自分の手は悪いままになってしまうということ。


「そうですか。じゃあ僕は4枚交換します。」


えっ、何もできてないなら5枚交換しないの?


「ではお互い開きましょう。せーの!ノーペア!」

「ワンペア!勝ちです!」


〜3試合目〜


なかなかコイツを出し抜けないな。手札は…お、いいなこれは。じゃあ


「う〜ん…ちょっと手札が悪いけど…この形を崩したくないな…交換なしで!」


作戦『相手を油断させてそこを狙う大作戦!』


「ではこちらは…3枚交換といきましょう。」


さて、コイツはどんな手を出してくる…?


「開きますよ?せーの!ツーペア!」

「ストレート!また勝ちました!」

「強いですね?」

「一回やったことありますから!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


結果は5-3で少年の勝ち。負けちゃったのはとても悔しいですが僕の狙いはウソを稼ぐこと。勝ち負けなんてどうでもいいんですよ。


「フフッ…」


いや失礼。不気味な笑みが漏れてしまいました。ここまでうまくいくとは…

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