第13話 世良家の女達
世良家は身体を売りものにしている為、顔が良いのも当たり前とされている。
もちろん顔が全てではないが、顔で選ぶ客が多いのも事実である。
私、世良緑は世良家の血を代々引き継いでいる為、顔も身体も"売る用"に出来ていると言っても過言ではないだろう。
今現在、世良家の純血を引き継いでいるのは、世良家の現当主私のお祖母様をはじめとする、母、私の3名である。
だからと言って世良家を3名で回している訳ではなく、世良家の血が流れてはいないが、世良家の者として身体を売っている人達約100名程と世良家を回している。
世良家には様々な人達が集まっている。
養子を取り、世良家の子供として育て上げられた子もいれば、お金目的の為に身体を売りに来ている子もいる。
世良家は個人のプライバシー保護が徹底されている為、個々の事情は不明であり、唯一全ての事情を把握しているのは現当主のお祖母様くらいだろう。
そのため、お祖母様が管理しやすいように世良家として働く者は1つ屋根の下で暮らしている。
世良家の建物は、洋風の建物である一ノ瀬家とは反対の和の建物である。一ノ瀬家程ではないが、そこそこ大きい方ではないだろうか。
私達世良家の者は、売上のノルマが決められており順位付けまでされる。
上位の者は豪華な1人部屋や高給与等優遇されるが、下位の者は狭い部屋に低給与。その為、皆んな上位を目指して必死である。
一ノ瀬様を主人に持っている私は勿論上位の方ではある。しかし、周りからは唯一の身内ということもあり、あまり良く思われてはいない。寧ろ、身内から贔屓(ひいき)されていると思われている始末。
身内だからと言って優しくされた覚えは無く、寧ろ身内だからこそ厳しく育てられた様に私は感じる。
何故世良家がこんなに長く続いているのか、途絶える事がないのか、詳しくは分からない。
しかし、今現在の社会に不適合と言うのは分かる。
いつまで続くのかーー、いや、早く終わらせた方が良いに決まっているーーと考えているのは私だけだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます