第8話 出会い③
その後、彼とは何度か仕事をするようになった。
大人とは違い、変なプレイや嫌がるような事はせず、純粋に行為を楽しんいる感じが逆に嫌だった。
“彼は他の人とは違うかもしれない”という期待を胸に仕事をするのが嫌だった。
そして、私と彼との関係に変化が起こったのが高校生になった頃。
彼と契約を結ぶ事になったのである。
彼は私を専属にしたいと契約を交わしてきた。
嗚呼、彼も同じだったか、と思った。
ましてや、1人と契約するのは余計にお金が掛かる。
にも関わらず、契約をしてまで行為をしたいのか、と思った。
それからは、この仕事に対して吹っ切れたと思う。
何にも期待せずに生きて来た。
この世からは行為というものを切り離すことは出来ないのだと悟った。
せめてこれからは普通の生活を送りたい、せめて“好きな人”というものと行為をしてみたい、と思った。
普通の生活まであと僅かーー
こんな昔のことを夢に見たのは、きっと彼の温もりを近くで感じていたからだろう。
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