第7話 出会い②
その頃には既に本格的に“仕事”をしており、今回のお客様は同い年くらいの子だと伝えられていた。
そのお客様として現れたのが、一ノ瀬理央であった。
最初は気付かずいつも通りに対応していたが、徐々に彼だと気が付いた。驚いたが、受け入れざるを得なかった。
彼の方も最初気が付いておらず普通であったが、顔を見合わせた瞬間気がついたようだった。とても驚いていたように思う。
双方受け入れられない状況のようだったが、その夜には身体を重ねていた。
嗚呼、彼も“そっち側の人間”だったのかと思った。
仕事を本格的に始めるようになり、私は幼いながらに沢山のことを学んだと思う。
特に、“金持ちの大人”というものがどういうものなのかを。
この人達の良い面より悪い面を知る事になったのは、この仕事の性かもしれない。
しかし、どうも私はこの仕事を始めて以来この人種が良くも悪くも苦手になっていた。
そのため、彼も“金持ちの大人の子供”という現実に世の中そんなものか、と思ったのを未だに覚えている。
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