Q.11どうして人は前を向いて歩くのかな
「なんか、空の青とか言うのしんどいの」
「今日、ネタ回じゃないよな…」
「作者の言葉。ヴぁかちゅーばー見ながら書いてるの。それでさ、どうして人は前を向いて歩くのかなって」
「…俺が知るかよ」
空には飛行機雲が線を引いていた。
「だから、そういうのがダルいんだって」
「いやいやいや。真面目に見てくれてる読者もいるだろうが…」
「あなたが真面目ならいいの」
無茶苦茶だな、と少年は思った。
「聞こえてるけど」
「そりゃ、後ろ向きに歩いていれば他に歩いている人間を気にせず歩いていけるから、楽だろう。でもな、後ろ向きで歩くってことは前を見ずに歩くってことだ。前に何があるか分からないのに歩いていける人間なんていないさ。普通はな」
「わけわかんなーい」
「だから、前を向いて歩いているということは、互いに攻撃を受けるかもしれないという不信感の現れなんだよ」
「じゃあ、みんな後ろに歩けばいいんじゃない?」
「…そうだな。でも危険があるかもしれないだろうし、誰か1人が前を向いていたら危ないだろ?」
「そうなんだ…」
少年は絶対に分かってないな、と思った。
「聞こえてるよ♪」
「…今日はするのか?」
「ううん。今日もしない」
そうして少年は1人残された。
「なんで心の声、聞こえてんだよ…」
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